一旦2355円まで下振れしましたが先週末は3200円のストップ高と新興市場銘柄らしい激しい値動きを見せてはいますが、まずは順調なスタートと言っても良いかと思います。
こうして2016年のIPO市場が始動しましたが、これに続く3月は一気に22社が上場を発表。1日に3社が上場する15日、同じく6社が上場する18日と過密な日程の中で果たして消化ができるのか心配されるIPO市場です。
1日2社程度までならともかく6社となると投資家の関心も分散し、上場後の公募価格割れが相次ぐのではないかと懸念されます。ましてや市場環境の変化もあり需給がやや悪化している昨今の株式市場ですので気になるところです。
22社の内訳としては東証1部へのダイレクト上場が2社、東証2部上場が2社あり、残りはJASDAQ6社、マザーズ12社となっています。
これらの事業内容が関心の的ですが、その多くは市場で認知されている既存ビジネスであり、これまでにないユニークな業態を掲げた企業は限られています。
投資家の胸を躍らせるような企業の上場は残念ながら今のところ見出せません。その中でテーマ性の視点で強いて挙げれば3月14日上場の LITALICO(6187・マザーズ・就労支援事業)、同じく18日上場のグローバルグループ(6189・マザーズ・保育、子育て支援サービス)、24 日上場のベネフィットジャパン(3934・マザーズ・MVNO仮想移動体通信)といったところかと思われます。
各企業の事業内容の吟味は各投資家の間で今後進んで参りますが、数は多くても話題性には欠けています。投資家はこれまでの流れを受けて内容的に堅い銘柄 を指向する可能性があり、一方で上場時に人気化しても業績に不安感があるゲームやネット系企業は、その後敬遠される可能性があります。
2月から3月のIPO市場は株式相場が大きく調整した中で痛手を受けた個人投資家の復活と投資スタンスが鍵となります。また、IPO市場の盛り上がりには2015年にIPOし、上場直後の高値から株価が低迷してきた銘柄の上昇トレンド復活もポイントになります。
IPO企業にはPERで比較的高い評価がなされ、プレミアムが過大についてしまいがちですが、ここは冷静に評価していくスタンスが大事です。需給悪が見られる昨年12月からの株式市場はまったく元気がありませんが、どこかに光明はある筈です。
上場後の株価下落を覚悟の上で成長期待の高い銘柄やユニークな業態の銘柄に焦点を絞って取り組むチャレンジングな長期スタンスの投資家の復活に大いに期待したいところです。
ここでの主役は勇気ある個人投資家の皆様に他なりません。そうした個人投資家の皆様には中長期視点でしっかりと事業内容を吟味し、眼鏡にかなうIPO銘柄を見出して頂くことが肝要です。
(炎)
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