先日、韓国ドラマを字幕で見ていたら、おそらく役者さんが「プルコギ」と言っていた台詞が「焼き肉」と訳されていました。
それを見て、プルコギはプルコギって訳出しないんだな…と、頭の中で若干、プルコギでゲシュタルト崩壊を起こしそうになりました。

何年か前に、英語に関わることを別の方角から学んでみたくて、映像翻訳の学校に1年ほど通ったことがあります。
映像翻訳というのは、いわゆる字幕や吹き替えに特化した翻訳のこと。
最初は興味本位の気軽な気持ちだったのですが、思っていた以上に奥が深いうえ、英語だけでなく日本語の学びもとても多くあった時間でした。

そこでも、食べ物の翻訳はとても難しかった印象があります。

そもそも、テレビや映画館などで放送される字幕を制作する際には、決められた規格を守らなければいけません。(
YouTubeなどの動画は別です)

例えば英語から日本語に翻訳する場合だと、1秒当たり4文字程度で訳出するというルールがあります。
つまり、台詞が2秒であれば8文字、3秒であれば12文字くらいで翻訳するということ。

挨拶や相槌の場合はさほど問題がないのですが、台詞の情報量が多くなればなるほど文字数が足りなくて、意味を保ったままいかに表現を自然かつコンパクトにするかがすごく難しいのです。
私も素人ながら、毎週出される課題に悩んで困ったりキレたり…とりあえず大変でした。

「焼き肉」は3文字。「プルコギ」は4文字。

たった1文字だけど、この1文字の差はとっても重大なのです。

それから、海外ドラマなどで何気なく出てくる食べ物や料理が日本ではあまり馴染みがないものの場合は、分かりやすい表現に置き換えられます。
海外料理の中でもプルコギの認知度は割と高い方だと思いますが、話の中でプルコギの重要性が低い場合やプルコギが話のカギにならない場合は、どうしてもプルコギと訳出する必要はないのです。

またプルコギでゲシュタルト崩壊が起こりそうなので、そろそろ終わります。

そう言えば、交換留学したとき「私、Parents and childrenが好きだよ!」と登校初日に話しかけてくれた子がいました。

家族を大事にしている子なのかな?と思っていたら、前年その学校にいた日本人留学生が作った親子丼が好きだったという話でした…。

Parents and children、私も好きです。

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