北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
□告知/スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
「世界の共通言語としてのラーメン」山路力也
「一風堂」を手掛ける力の源ホールディングスの東証マザーズ上場が決まり注目を集めています。一風堂は2025年を目処に国内300店舗、海外300店舗の出店を進める計画だそうで、日本文化としてのラーメンが海外へとどんどん進出して、いまや日本とか海外などと区分けしていることがナンセンスになって来ました。
ニューヨーク、ロンドン、パリはもちろん、アジア全域も含めて、ラーメンを食べられる国は加速度的に増えています。これまでは日本のラーメン店が海外に進出していましたが、今ではローカルの企業であったり個人がオリジナルでラーメン店を立ち上げるようになりました。今回ラーメン博物館に出店した「YUJI RAMEN」も日本人による店ではありますが、ニューヨークで開業したお店です。こうなるともうラーメンは日本食ではなく、まさに世界に通ずる共通食と呼ぶことが出来るでしょう。
今や世界の中で一番ラーメンの価格が安く、消費者の意識が一番低い国は日本です。海外ではラーメンはご馳走であり、スペシャルな食べ物。少なくとも日本人の多くがイメージしているようなB級の食べ物ではありません。無論、そこには文化の差や歴史の差もあるので、日本のラーメンがすべてスペシャルな食べ物になる必要はないと思いますが、少なくとも海外の人たちにとってラーメンはある種のハレな食べ物、言わばご馳走なのです。そしてそのご馳走を生み出した国である日本のラーメンに期待してやって来るのです。
今、日本のラーメンは世界の中で刺激的な存在であるのでしょうか。どこかで見たようなラーメンばかりが並ぶ東京のラーメンは、世界からどう見えているのでしょうか。海外のラーメン店の出すラーメンはどれも自由で刺激的です。もしかしたら近い将来、ニューヨークやパリなどにラーメンの本場を奪われてしまうのではないかという危機感を覚えます。そうならない為にどうすれば良いのか、日々考えています。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は今月16日、新横浜ラーメン博物館にオープンした「YUJI RAMEN」の 「ツナコツラーメン」を、山路と山本が食べて、語ります。
YUJI RAMEN@新横浜