細い脚の家具を入れると、部屋がすっきり見えますよ。
ごちゃつきまくっていた自分の部屋に変化をもたらすべく、細い脚ばかり追いかけました。
全体的に細いシルエットで人気を博すERCOLの定番ベンチを勧められ、「高っ」と思いつつイームズのリプロダクトを見て気持ちを落ち着かせる。
照明ならば! と、イデー店員に人気の照明や、グレタ・グロスマンのほっそい照明も検討しつつ……。厚みのない財布と相談しながらようやく行き着いたのは、この照明でした!
お歳暮のような箱に詰め込まれ、重厚感がにじみ出る
かのイームズ夫妻とも交流のあった彫刻家、イサム・ノグチ。彼がこれまで200種類以上も手がけてきた「AKARI」は、不朽の名作です。
品格そのままに、まるで焼酎が3本ほど入っているお歳暮のような、重厚感のある箱に収まって届きました。
開封すると、明らかに細い脚と骨組み、美濃和紙。生活感が垣間見えるLED電球も。
組み立てはカンタンで、5分ほどで完成します。
アンニュイなシルエットと、細い脚
四方田犬彦さんが名著『かわいい論』で語っていた、かわいさの構成要素の中にはアシンメトリーさや不完全さも含まれる、といった内容を思い出します。
丸みはあるけれど、球体でも楕円でもない。細い脚の上にどっぷりと乗る和紙部分。この不安気なシルエットに惹きつけられます。
脚の細さ。インスピレーションはどこから…?
脚3本で支えられているこの「AKARI」。前述した通り、この細い脚は空間をすっきり見せてくれる力があります。
それでいて、モダンな印象もありますね。このあたりが名作たるゆえんでしょうか。
この照明を見た友人は「お盆感があるね」と話します。そうですね、茄子やきゅうりを使って作る精霊牛・精霊馬にも見えなくもない……。
どのようなことを考えて作られたものかは不明ですが、日本古来の文化を見せながら、新鮮さも持っているデザインです。
部屋を柔らかく照らす
「提灯」って、古い道具なのにどうして今でも残っているのでしょうか。どこか惹かれる部分があるんですかね。
若い女性たちが自己ブランディングのために赤提灯系の居酒屋好きをアピールする姿は見ていられませんが、この提灯風の照明は、ずっと見ていたい光の暖かさがあります。
部屋をすっきりと見せて、軽やかに存在する「AKARI」ですが、部屋を柔らかく照らしてくれているときは存在感抜群。不思議なものですね。
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イサム・ノグチ AKARI [ライティングファクトリー]