Photographed by tsubottlee
千葉県は、都内にもアクセスしやすく、複数の団地が連なる千葉市美浜区。最寄り駅から車を走らせること10分ほどの住宅街に、有沙さんの住まいはありました。
お名前(職業):岩澤 有沙さん(グラフィックデザイナー)、ご主人※取材時はご不在、猫2匹場所:千葉県千葉市
広さ:2LDK / 69㎡
住宅の形態:築43年 団地
間取り図:
編集部作成
理想通りのリノベーションを施した住まいでの、念願だった猫との暮らし。有沙さんの情報収集の賜物である住まいを構成するアイテムは、どれも魅力的なものばかりです。
真っ白な空間を自分たちらしくアレンジしたお部屋について、お話を伺ってきました。
■目次1. この部屋に決めた理由
2. お気に入りの場所
3. お気に入りのアイテム
4. 残念なところ
5. 暮らしのアイデア
6. これからの暮らし
この部屋に決めた理由
日当たりのいいペット可物件有沙さんのご実家も近いエリアで探したのは、リノベーション可能で猫との暮らしが実現できる物件。住まいのイメージは有沙さんの中で明確に持たれていたそう。
「小さな頃から団地暮らしということもあって、同じ団地の住まいがいいと思っていました。
前の賃貸がgoodroomのTOMOSの物件で、同じような雰囲気がよかったので、そのままお願いすることにしました」
猫との暮らしも想定して、無垢フローリングは傷つきにくいクリを選択。
取材中も兄弟の2匹は元気よくお部屋を駆け回っていました。
お気に入りの場所
海外の住まいを参考にしたキッチンの入り口お部屋に入ってすぐ横手に見えるのが、キッチンへ繋がるアーチ型の入り口。リノベーションするにあたって譲れなかった、こだわりのポイントです。
「Pinterestなどを使って海外の住まいの情報をたくさん集める中で、アーチ型の入り口は絶対取り入れたいと思い、お願いしました。遠目で見てもかわいくて気に入っています」
また、キッチンには機能面でも使いやすい造作棚が設けられていました。
「造作棚は元のリノベーションプランにはなかったのですが、お願いしてつくってもらいました。器を集めるのが好きで、気に入ったものとよく使うものはオープンに収納しています」
コースターや特によく使うマグカップなどは吊るす収納も活用。
使い勝手のよさはもちろん、お気に入りが目に入ると家事もご機嫌に進められそう。
ご夫婦揃って作業しても十分な幅があるのも、使いやすそうなポイント。この部屋で暮らすようになってから、2人ともキッチンを使う時間が増えたのだとか。
白いタイルを貼った玄関賃貸の頃から気に入っていて取り入れたかったというのが玄関タイル。白い住まいに白いタイルが美しく、相性もピッタリです。
「前の住まいから気に入っていた白いタイルは、ぜひ新しい住まいでも取り入れたいと思っていました」
「加えて、夫婦それぞれの靴をオープンに収納できたらと思い、こちらもキッチン同様にオープン収納にしています。同系色の靴は揃えて収納して、ディスプレイとしてもきれいに見えるよう意識していますね」
使い勝手のいいワークスペースリビングでのお気に入りが、室内窓のついたワークスペース。
「コロナ禍になって家でも仕事ができたらと思い、つくりました。私が在宅の日や主人が帰宅後、仕事の続きを行う際に使っています。
作業に集中して取り組める空間でありながら、日中は自然光も入り、家族の様子も分かるので気に入っています」
広いワークトップを活かしつつ、元々使っていたという収納ボックスなどを活用してスッキリした空間に。
気分転換がてら、このスペースで食事を取ることもあるそうで、幅広い用途で使える空間になっています。
ワークスペースの奥にはウォークインクローゼットもあり、収納面でも役立つ空間になっていました。
お気に入りのアイテム
実家から譲ってもらった照明リビングで使われている花形のシェードがついた照明は、ご実家から譲ってもらったお気に入りのインテリア。
「住みはじめの頃は別のものを使っていたのですが、時間が経つとともにやっぱり欲しくなっておねだりしました。長く使われていた分、年季も入っているのですが、そこが味でレトロな雰囲気が気に入っていますね」
照明は他にも、スペース毎に異なるものをチョイスしていました。
夫婦で1つずつ使っているマグカップキッチンで吊るして収納されていたSatoko kakoさんのマグカップは、数ある器の中でも特にお気に入りのアイテム。
「夫婦それぞれで違う色合いのものを使っています。ネットで見て気になっていたものが、セレクトショップやヴィンテージショップで取り扱われているのを見て、実物もチェックしてから購入しました」
マグカップとしての実用性はもちろん、使っていないときでも絵になるインテリアのような佇まいが印象的でした。
ダイニングで専用席にしている椅子有沙さん用の座席として使われていたのは、アーコールチェアでした。
「使いたいと思いながら購入できていなかったアーコールチェアですが、ヴインテージショップで好みのものを見つけ、ようやく購入できました。ダイニングでもキッチンに近い方に置いて、私用の座席として使っています」
憧れのアーティストの個展で購入した作品最近購入されたものの中でのお気に入りが、HONGAMAさんの置き物。
「ずっと好きだったのですが、最近個展へ行くことができ、その場で購入しました」
「お気に入りの作品はダイニング横のディスプレイスペースに並べて楽しんでいます」
残念なところ
水回りの位置を変えられなかったことリノベーションで内装はイメージ通りにできたという一方、構造上断念しないといけない部分もあったのだそう。
「洗面台に窓がある住まいが理想だったのですが、水栓の位置などからコンクリート壁に面した場所にしか設けることができず、断念しました」
暮らしのアイデア
猫との生活を考えてモノの場所を考える念願だった猫との暮らしだからこそ、猫2匹に負荷のないお部屋づくりを考えられている有沙さん。
「2匹ともなるべく安全に自由に歩き回れるよう、足下にモノを置かないようにしています」
床にあるのは猫用のおもちゃのみ。
住まいにはキャットタワーやお昼寝用の籠など、2匹にとって飽きのこないようなさまざまなアイテムが散りばめられていました。
一方でご夫婦の持ち物は、寝室と収納部屋にそれぞれ収納されています。スペースはきれいに2等分。
寝室では無印のボックスを活用しながら衣類収納を。収納部屋にはスーツケースなど使用頻度の低いアイテムが収納されていました。
加えて、居住スペースにはなるべく置かないようにしていたのが植物たち。
昔からお花が好きで住まいで楽しむことが多かったという有沙さんですが、今では猫が入れない収納部屋でのみ楽しむように。
代わりに造花や花のモニュメントが多く取り入れられていました。
観葉植物も、猫が届く高さの右2つはフェイクグリーン。遠目からみるとどれがフェイクでどれが本物か見分けがつかず、教えてもらったときには驚かされました。
毎日かわいいと思えるものだけ購入するお部屋に置かれているものは、どれも有沙さんにとって思い入れあるものばかり。ただお部屋づくりを進める上では、失敗もたくさんあったのだそう。
「昔はネットでデザインが好みのインテリアを見つけては勢いで購入し、失敗することもよくありました。小物ならまだいいのですが、テレビボードを買って家に置いたときの圧迫感がすごかったときは、どうやって手放そうか悩まされました。
そのときはメルカリですぐに購入してもらえたのでよかったですが、それ以来、購入するときはちゃんと考える時間を設けるようにしています」
「今では、物を買うときに必ず、『これをみて毎日かわいいと思えるか?』と自問自答をしています」
SNSでさまざまなアイテムに目に触れる機会も多い現代だからこそ、自分なりの基準やルールを持って購入を検討するのが大切ですね。
これからの暮らし
お部屋をもっと自分たちらしく今回のリノベーションで理想としていた満足のいく空間ができたからこそ、今後は家族に合わせてお部屋づくりを楽しんでいきたいと話す有沙さん。
「遊び盛りの猫たちがより快適に暮らせるように、カーテンレールの上にDIYでキャットウォークをつくれたらと考えています」
白壁にはご夫婦でペンキを塗って色を加えていきたいのだそう。
「リビングのアーチに7色の虹をかけたり、部屋毎に違う色を塗ったりして変化をつけていけたらと思っています。キッチンにもタイルを貼って自分たちらしく仕上げたいですね」
リノベーションから暮らしを通して、家族がより好きになれるお部屋づくりを進められている有沙さん。
真っ白なお部屋にどんな景色が足されていくのか、お部屋づくりの楽しみは無数に広がっています。
築35年の賃貸を暮らしに合わせてDIY。
3人兄弟との賑やか団地暮らし。