こんにちは。ステッチステッチです。
先日、古本屋を物色していた時のこと。まるで中原淳一が手がけた女性誌の草分け「それいゆ」を実写化したかのような美しい手芸本を見つけました。
タイトルは、「和装編物全集」(日本ヴォーグ社/1969年発刊)。
戦後から1970年代にかけて出版された手芸本は、見ているだけで作りたい欲求に火がつくオリジナリティのあるデザインがたくさん。量販衣類のない時代に、主婦が自分や家族のためにいかにたくさんの服を仕立てていたかがよくわかります。今回はその中の一部をご紹介しますね。
巻頭は、こげ茶の着物に同系色のマント(本文では「マントウ」)を組み合わせたアンサンブルです。
続いて、テーラードカラーが洋装風の半コート(右)。「お買い物などの外出にぴったり」とのことですが、こんなおしゃれな奥さまが買い物に来たらしっかりサービスしちゃいそう。
空色が鮮やかな七分丈の防寒コート(左)と、緋色が印象的な長編みのコート。機械編みとはいえ見事です。そしてこの緋色のコートを着たモデルさん、往年の松原智恵子を思わせるかわいらしさがたまりません…!
模様編みも素敵ですね。左から、洋装感覚のラグラン袖がカジュアルなイージーコート、和装の帯揚げのような模様が個性的なコート、淡い色使いが品のある、スタンダードなお出かけコートです。
首もとの防寒に悩むことが多い和装で重宝するのがストール。初心者さんでも、今から編めば秋には手づくりストールデビューできちゃうかも! 最後に、ステッチステッチで楽しめる「さまざまなショールの作り方」を紹介しているのでぜひ見てみてくださいね。
こちらはツイードの糸を使った格調のある茶羽織(左)と、亀甲模様のお出かけ着です。天女様風?のヘアスタイルも、今見ると斬新…。
最後は、編み目が美しい羽織を3点ご紹介。左は、江戸時代から伝わるという「三筋格子」を現代風の配色にアレンジしたホームコートです。いわゆる「家着」ですが、家の中だけで着るのはもったいないかわいらしさ。
真ん中はアフガン編みのざっくりとした編み目がやわらかい印象の普段着です。右は、スレッド編みで古典的な矢羽根柄を再現した外出着。大胆な柄も派手になりすぎないのは、和装コーディネートの醍醐味ですね。
いかがでしたか? これだけのコートやストールはなかなか作れるものではないけれど、手づくりの世界って見ているだけでも目の保養になる気がします。
「手づくりへのあこがれがあるけれど今は時間がない…!」「こんなの無理!」というビギナーの方も、まずは「見て楽しむ」手芸から始めてみませんか?
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