18世紀後半の世界を舞台に、プレイヤーたちはイギリス、ネーデルランド、フランス、スペイン、プロシア、オーストリア、ロシアの支配者となり、ヨーロッパで勢力を拡大しつつ、アメリカ、アフリカ、インドといった植民地の支配を強化していく。「理性の時代(Zeitalter der Vernunft)」は7人まで遊べるボードゲームとなっています。
今回は5人が参加。プレイヤーは英(赤)・蘭(橙)・西(黄)・墺(白)・露(緑)を選択。仏(青)・普(黒)がノンプレイヤー(NP)国家となります。私が選択したのは墺。その視点からプレーリポートを記していきます。
まずはゲームの準備。全ての帝国マーカーを布袋に入れ、各国家ごとに5枚の帝国マーカーを布袋から引きます。結果は写真を参照してください。
なお最初の同盟(プレー順)はランダムで決定しました。
A:英・普・蘭・西
B:露・墺・仏
ハプスブルク家の戦力は陸軍偏重。隣接するドイツ・中央ヨーロッパ・オスマン帝国・地中海で勝点を稼ぐイメージでいたのですが、インドに勢力が固まります。これは予想外ですが、悪くありません。一方、欧州における支配ディスクはドイツに1つのみ。写真を撮り忘れたのですが、1回目の帝国マーカーは「アクション(Aktion)」が1つのみ。私の順番は3番目と悪い位置ではなかったのですが、戦争は回避したい。なぜならば、サイコロの出目が弱いからです。
前回、露でプレーした時に負けがかさんだ反省(4人プレーで最下位)と言いましょうか。「今回こそは……」は危険な考え方です。実際、1ターン目の英(今回が初プレー)はドイツの帝国マーカー相手に2敗。戦費調達、国内情勢(騒乱点)に苦労する結果となります。ほかのプレイヤー国家が兵を動かす中、我がオーストリアは沈黙のまま5ラウンド目を迎えます。
5ラウンド目も攻撃をしないだろう。ほかのプレイヤーがそう考える中、私はついに兵を動かします。それはインドのオランダ勢力駆逐です。
NP国家を狙うことを考えたのですが、NP国家の戦力は必ず「4」。それに対してP国家が「4」を出す場合はそれなりの戦費が必要となるため、これ以下になる可能性があります。加えて、ほかのプレイヤーの邪魔をすることは、自分の順位上昇につながります。世界地図を見た時、南米の黄色は同盟国。北中米、アフリカ、インドネシアには攻め込む口実がない。オーストリアに隣接する国を見た時、オスマン帝国の緑色は同盟国。地中海の黄色と緑色も同盟国です。だからといって、この同盟国が黒の打倒を助けてくれるとは思えない。ドイツの赤色は弱っていますが、バイエルンとザクセンが味方に付いているため、サイコロの出目が+2の強敵です。
このような消去法の末、インドのオランダが標的となったのでした。こうして1ターン目が終了。スペインが25点でトップ。ロシアが20点、イギリスが14点、オーストリアとオランダが12点で続きます。こうして2ターン目に入ります。
2ターン目の同盟は以下の通り。
A:墺・蘭・露・西
B:普・仏・英
今回はいくつか「アクション」が出たのですが、1番手の私が選択したのはカリブ海。今回は橙色と同盟で、黒色と青色はNP国家のため、攻め込まれる心配が皆無だからです。その後、ナポリの支援も獲得して地中海の帝国マーカーを打倒。オスマン帝国とも戦いたかったのですが、トルコ人の支援をスペインに取られたため、諦めることにします。こうして2ターン目が終了。スペインが48点、ロシアが43点、オーストリアが34点、オランダが31点、イギリスが30点。ほとんど戦争をしていないので国内は安定しており、トップも狙える悪くない位置です。
3ターン目は、同盟の枠組み設定で火花を散らすことになります。結果は以下の通り。
A:英・蘭・仏・墺
B:露・西・普
「理性の時代」の手番・同盟は“競り”で決まります。早い方が有利なのは間違いないのですが、それよりも重要なのは、どの陣営に属するかです。英・蘭が西・露と戦う場合、私が援軍を出すことは確実。西・露にとっては厄介な存在ですが、だからと言って味方にしても援軍を期待できない。結果、私は英・蘭・仏の陣営に引き込まれます。
世界大戦の準備は整いました。英・蘭が露・西に宣戦布告。私はドイツ、地中海に援軍を派遣します。こうして4陣営が疲弊したタイミングを見計らい、私は最後に2回攻撃。ここで緑の支配ディスクが白に書き換われば逆転……のはずでしたが連敗。本当にサイコロの出目が悪い。最終結果は67点でロシアが1位。オランダが56点、スペインが54点、オーストリアは53点、イギリスが46点でした。
※ロシアとオーストリアの差は14点。オスマン帝国の緑が白になれば8点、ドイツの緑が白になれば5点、合計13点がひっくり返る計算です。加えて戦争で負けると騒乱点を得るため、勝点がさらにマイナスされる可能性があったはず……。