週刊文春デジタル
先日、オッペンハイマーの足跡を追って、彼が原爆を開発した地であるニューメキシコ州を訪ねたが、現在、ニューメキシコ最大の都市アルバカーキは「第3のハリウッド」と呼ばれているそうだ。
「第2のハリウッド」はジョージア州アトランタで、マーヴェルの映画のほとんどがアトランタで撮られている。州が映画製作を誘致するために税優遇措置をとり、警察がカーチェイスや爆発シーンに積極的に協力するからだ。ニューヨークやロサンジェルスが舞台の映画も、実際はアトランタで撮影されていることが多い。
ニューメキシコは西部の荒野だが、撮影できるのは西部劇だけじゃなく、巨大なスタジオを作って、そこにニューヨークやロサンジェルスに見える都会のセットも組んでいる。ただ、問題はエキストラだ。
「住民の多くが先住民やメキシコ系だから、群衆シーンで黒人や東アジア系が足りなくて、ニューヨークやロサンジェルスに見えないんだよね」と、地元の映画関係者に言われた。「君もニューメキシコに引っ越さない? エキストラの仕事がいっぱいあるよ」