西島秀俊と芦田愛菜。実績と知名度で日本を代表する二人が父と娘を演じる。
 西島の演じた夏目俊平は元指揮者だ。若くして海外でも頭角を現していたが、四十五歳の副指揮者のとき、トップの急病で名門楽団の指揮者(マエストロ)として成功をおさめた。
 しかし娘の響(ひびき/芦田愛菜)は、ヴァイオリンのコンクール会場を抜けだし事故にあった。以来、俊平は指揮台に立たず、ウィーンの音大の職員となる。それから五年。響は父に心を閉ざし、母の志帆(石田ゆり子)が育った静岡県の晴見市役所に就職する。 
週刊文春デジタル