この連載も含めて、いろんなところで主人の悪口を言ってますけども、ちょっとだけいいところもあるんです。
それは映画とかコンサートとかお芝居とか、そういう場所には必ず付き合ってくれることです。年配の男性だと億劫がる人も多いんですけど、これは有難いなと思ってます。
ただね、もはや夫婦の会話もないので、劇場についてから開演するまでの時間が長い! 主人はというと、席に着くなり目を瞑って、「目を閉じて何も見えず」作戦ですわ。
仕方なく周囲を見ると、皆さんよく喋ってはります。とくによく喋るのは、中年の男性と若い女性のカップル。男性の方が女性の方に身を乗り出すようにしてしきりに話しかけて、女性の方が受け流して……まあ、不倫でしょうね(笑)。
そうやって手持ち無沙汰な時間を過ごしているうちに、時間潰しのいい方法を見つけました。
劇場の天井に電球がたくさんありますでしょ? あれをひとつずつ数えていくんです。そうですね、六十四ぐらいまで数えたところで、だいたい開演時間になります。
ワットいう間ですよ。