週刊文春デジタル
今年は日本の娯楽映画史に偉大な足跡を残した二人の映画監督が、生誕百年を迎えた。
それが石井輝男と岡本喜八。いずれも、ハチャメチャに面白い映画を作り続けたエンターテイナーだ。
この二人に共通点がある。
それは、洋画のテイストをかなり直接的に作風の中に盛り込んでいるところだ。若手時代はノワール調の洋装ギャング映画を多く撮ったのも同じだし、戦争映画を撮れば西部劇の雰囲気を多分に感じさせる作りになっている。ジャズ調のBGMを好む傾向に加え、シャープでテンポの良い演出も重なる。他にも、俳優たちが嬉々として伸び伸びと怪演をしているのも共通している。
ただ、両者には大きく異なる点もある。