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春日太一の木曜邦画劇場 第611回「時代劇二大ヒーローの激突よりも重厚な悲劇として捉えてみよう」『座頭市と用心棒』
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春日太一の木曜邦画劇場 第611回「時代劇二大ヒーローの激突よりも重厚な悲劇として捉えてみよう」『座頭市と用心棒』

2024-12-05 05:00
     気鋭の娯楽映画監督として登場した岡本喜八監督だったが、一九六〇年代半ばには前回の『ああ爆弾』をはじめ、『江分利満氏の優雅な生活』『殺人狂時代』と風変わりな作りの作品を連発していく。そのため、所属していた東宝は彼にあまり作品を撮らせなくなるのだが、この時も、尖った映画を撮り続ける監督として収まることはなかった。
     転機となったのは、六七年の『日本のいちばん長い日』だ。脚本を担当した橋本忍の推薦もあり、この東宝のオールスター映画を撮ることになり、見事に大ヒットさせる。すると、その後も『赤毛』『激動の昭和史 沖縄決戦』といった大作を次々と撮ったのだ。一九七〇年前後の岡本喜八は、一転して日本映画界を代表する監督の一人となっていた。
     今回取り上げる『座頭市と用心棒』もまた、そんな時期の作品だ。タイトル通り、時代劇を代表する二大ヒーローの顔合わせが売りとなる。それぞれを演じるのは、もちろん勝新太郎と三船敏郎。この両スターに加え、若尾文子、滝沢修、嵐寛寿郎といった豪華キャストも顔を揃えた、紛うことなき大作映画である。 
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    更新頻度: 毎週水,木曜日
    最終更新日:2024-12-05 07:18
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