今年も手紙を書くね。

 ヒデちゃん、ありがとう。

 僕ね、最近よく考えるんだ。
 
 変わらないことの強さについて。
 
 『変わらない』って、凄いことだと思うんだ。
 
 変わらないことは、いつか永遠になるのかな、とも思うんだよね。

 
 もちろん、変わることの魅力もあるよね。
 
 ヒデちゃんが常に新しい驚きを密かに用意していて、それを突然見せては

 メンバーやファンを驚かしていた、あれ、いつも興奮してた。

 まさに変わることの魅力だよね。

 


 
 
 でもね、思うんだけど・・・

 ヒデちゃんが常に新しいことをやって周りの人たちを幸せにしていたのは、ヒデちゃんの中に決して変わらないことが強く強くあったからなんだね、きっと。

 で、その変わらないことの中で、特に大きかったのは『信じること』だったんじゃないかな。


 僕が見ていたヒデちゃんは

 ロックを信じていた

 ロックスターを信じていた

 Xというバンドを信じていた

 メンバーを信じていた

 自分たちの音楽を信じていた

 自分の音楽を信じていた

 ファンを信じていた

 そして未来を信じていた


 僕はね、ヒデちゃんが信じるからこそ、Xというバンドも、ファンも、そしてヒデちゃん自身も、変わらない強さを持つことができたんだと思えてならないんだ。

 そしてヒデちゃんが、あの頃たくさん見せてくれた『信じることの強さ』を思い出すんだ。
 
 覚えている限りの、ヒデちゃんの横顔や作品、語ってくれたことを思い浮かべるとね、確信するんだよ。

 
 ヒデちゃんが『信じることの強さ』の塊だったことをね。

 
 
 
 毎年書いているけれど・・・ヒデちゃん、たくさんの人たちに夢と勇気を、ありがとう。
 
 メンバーはあの頃の目標だった世界進出をちゃんと果たして、全世界的なスケールで頑張ってる。
 
 僕も、若い才能のために自分の音楽を生みながら、頑張ってる。
 
 ヒデちゃんが夢を見せてくれたおかげで未来を創って生きているたくさんの人たちも、きっとそれぞれの人生を頑張ってる。
 
 そんな僕たちがくじけそうになった時、ヒデちゃんのことを思い出して『信じることの強さ』をもう一度しっかり胸に抱いたら、また前進していけるかも知れない、って思ったんだ。

 今日はそれを伝えたくて、手紙を書いたんだ。

 ありがとうを伝えたくなってね。

 
 
 
 ヒデちゃん、ありがとう。

 たくさんの夢と勇気をありがとう。

 そして、僕たちに信じることの強さを教えてくれてありがとう。
 
 本当にありがとう。 
 

                   2016年5月2日 津田直士



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【 津田直士プロフィール 】音楽プロデューサー/作曲家 
Sony Music在籍時に「BLUE BLOOD」「Jealousy」「ART OF LIFE」
のCo ProducerとしてX JAPAN(当時はX)をプロデュース 

インディーズ時代から東京ドーム公演までをメンバーと共に駆け抜けた記憶
の一部は、
映画「WE ARE X」の中、インタビューという形で語られている。
また、自署「すべての始まり」にはその記憶のすべてが描かれている。

(「すべての始まり」特設サイト → https://www.innocenteyes.tokyo/ )