新たな書き下ろしの新刊に向けて文章を書いていて、またいくつもの記憶が鮮やかに蘇った。
 
 記憶というのは不思議なもので、静かにしまわれていたものが、ちょっとしたきっかけで蘇り、まるで昨日のことのようにリアルに感じ始めたりする。

 記憶によっては、その細部へもアクセスできるようになる。
 
 今回、僕はこれまであまり記憶を辿ることのなかった、アルバム「Jealousy」のレコーディングについて記憶を巡らせることになった。
 
 思うに人は、苦労したり一生懸命になったりした結果、それが見事に実ったり報われたりすると、記憶が鮮明に残るのではないだろうか。
 
 本当のことはわからないけれど、少なくとも僕の中ではそのような傾向がある。
 
 「Jealousy」の頃よりも「BLUE BLOOD」の頃の方が記憶がより鮮やかなのは、同じように成果があったり報われたりしているのだけれど、「BLUE BLOOD」の頃の方が