数日前、僕が「歌が圧倒的に素晴らしい3人の日本人アーティスト」という主旨のツイートをした後、その中の一人として紹介したToshlが「速い曲」を歌う際、あまりにタイム感が正確なので、その凄さにいつも感服していた30年前の記憶が蘇った。

 そしてふとXの速い曲について想いを馳せているうちに、そのテーマで文章を書きたくなった。

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 オリジナリティの塊。

 そんな表現を使って、Xの音楽がオリジナリティに満ちていることを、僕はこれまで何度も書いてきた。
 
 一方で、音楽家の僕が書く「Xという物語」では、意外なくらいに音楽的な著述が少ない。
 
 理由は自分が音楽家だからこそ、音楽を文章にすることの難しさと無意味さを感じることが多いからだと思う。
 
 とはいえ、過去の連載で「ART OF LIFE」について本1冊分書き切ったことがあるし、書籍化したシリーズの書き下ろしなど含め、たまに音楽的な解説はしてきた。
 
 そこで今回は、久しぶりに音楽的な内容を書いてみたいと思う。
 
 テーマはXの速いビートの曲についてだ。