ようやく富士山が世界遺産に登録された。日本の象徴ともいえる「SUSHI」「KARATE」くらい有名な「Mt.FUJI」が、2007年6月の暫定リスト入りから6年を経て、やっと「世界」(でもないのだが、メディア報道ではそうなっている)から認められたのだ。

喜ばしいことではないか! 朝から晩までメディアの中の人々が喜んでいるのだからきっと「慶事」に違いない。

しかし、いまや世界遺産は900を超える。そのうちのひとつに登録されたことがそれほど価値のあるものかどうか、私には甚だ疑問だ。

世界遺産委員会は、当初の慎重な姿勢から一転して、この十数年、ずいぶんと乱発気味に「インフレ化」に舵を切った(1978年第一回登録はわずか12件、現在は960件を超えている)。

その件に関して、私自身、ここ数年何度も言及してきたし、せっかく盛り上がっている「日本」(のメディア)に「水を差す」ようなことをしたくないという気持ちもある。

だが、私が水を掛けなくても、しっかりとぶっかける人は存在するのだ。

ある意味、富士山の世界遺産登録にもっとも貢献した野口健さん、その人である。