ご都合主義とはこのことだろう。軽減税率の適用を巡って、案の定、あの業界が動き出した。

〈新聞は、国の内外で日々起きる広範なニュースや情報を正確に報道し、多様な意見・論評を広く国民に提供することによって、民主主義社会の健全な発展と国民生活の向上に大きく寄与しています。

民主主義の主役は国民です。その国民が正しい判断を下すには、政治や経済、社会など、さまざまな分野の情報を手軽に入手できる環境が重要です。欧州各国では、民主主義を支える公共財として一定の要件を備えた新聞、書籍、雑誌にゼロ税率や軽減税率を適用し、消費者が知識を得る負担を軽くしています。「知識には課税せず」「新聞には最低の税率を適用すべし」という認識は、欧米諸国でほぼ共通しています〉(2013年1月15日 日本新聞協会声明)

確かにそうだろう。

「知識には課税せず」というのは民主主義国家の共通認識であり、欧米の多くの国で新聞への減税の軽減が適用されているのは事実だ(とはいえ、ドイツでは7%、豪州では10%などの軽減税率で日本の標準税率5%よりも高い)。

だが、そうであるならば新聞協会に問いたい。

社団法人日本新聞協会よりもずっと公共性の高い公益社団法人自由報道協会などの公益団体の扱いはどうなのか?

そこに所属するジャーナリストや海外メディアの言論活動などに対しても軽減税率の適用を求めてはくれないのだろうか?