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パンドラの箱が開いたトランプのアメリカに行ってきた
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パンドラの箱が開いたトランプのアメリカに行ってきた

2017-04-05 22:00

    マル激!メールマガジン 2017年4月5日号
    (発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/
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    マル激トーク・オン・ディマンド 第834回(2017年4月1日)
    5金スペシャル
    パンドラの箱が開いたトランプのアメリカに行ってきた
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     その月の5回目の金曜日に特別企画を無料でお送りする5金スペシャル。
     今回は3月上旬から中旬にかけてアメリカを取材してきたジャーナリスト神保哲生の取材映像などをもとに、アメリカ取材の中間報告とその意味するところを神保と社会学者の宮台真司が議論した。
     今回はトランプ政権を裏で操るスティーブ・バノンが自任するオルトライト運動の源流を訪ねて、長年アメリカで白人の立場から人種運動に携わってきた大御所の白人至上主義者や、サッチャー政権の政策立案に携わった伝統的保守主義者らのインタビューなどを通じて、今、アメリカで何が起きているかについて考えた。

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    今週の論点
    ・オルトライト運動の名付け親が“人種”にこだわる理由
    ・白人によるアイデンティティー・ポリティクス
    ・インターネットがヘイトを広げる理由
    ・スウィングバックのない日本は、ただただ沈む可能性がある
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    ■オルトライト運動の名付け親が“人種”にこだわる理由

    神保: 本日は3月31日に、今月5回目の金曜日=5金ということで、無料番組になります。映画がテーマだったり、オタク企画だったり、普段とは違う内容でお送りしてきた5金ですが、今回は扱わなければいけない内容はたまっている。まず、僕はアメリカに長期取材に行きました。トランプを選んだアメリカ、ということで、普通はラストベルトに行って白人不満そうに取材しよう、ということを考えると思うのですが、僕は人種問題、移民問題の根の深さを感じていたので、そこを掘ってみようと思った。
    まず、ホワイト・サプリマシスト(白人至上主義者)のあたりに取材に行きました。これまで、彼らが集会をやるというときに、例えば会場としてホテルを借りることがなかなかできなかった。つまり、そういう人たちに貸すと反対運動が起こるでしょう。もちろん、人種差別は大問題なのだけれど、こうして集会もさせないようにしてきたのは問題だったな、と感じました。そうして頭を抑えられてきたなかで、バンと弾けたように見えるんです。それを抑えつけてきたリベラリズムに対する、ある種のルサンチマンのようなものをすごく感じたし、いろんな意味で因果応報するんだなと。
     実際にアメリカで取材してみると、白人至上主義者は「自分はホワイト・サプリマシストではなく、ホワイト・ナショナリストだ」という言い方をしたり、あるいは「レイス・リアリスト」として、人種の現実を見ているだけで差別をしているつもりもない、と言っていたりする。いずれにしても、彼らの言い分をきちんと聞く、という機会がマスメディアではありません。たぶん、長く流したら怒られるでしょう(笑)。しかし、われわれのメディアはインターネットだし、本当に興味のある人が見ていてくださるという前提で、聞いていただく必要があるのではないかと。というのは、問題点が見えてきたこともそうだけれど、語弊を恐れずに言えば、話を聞いて面白かったんですよ。

    宮台: 概略は見ましたが、ひとつには面白かったし、そしてもうひとつ、けっこう説得された部分があります。

    神保: だからテレビで流してはマズいんですね。

    宮台: そうなんです。ただ、僕はもちろん学問的な訓練を受けてきているから、説得される部分をどういうふうに自己理解するか、という意識の働きがあって、説得されながらも否定はします。「それを言うなら、こういう言い方をするべきじゃないか」と。

     
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