マル激!メールマガジン 2022年10月5日号
(発行者:ビデオニュース・ドットコム https://www.videonews.com/)
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マル激トーク・オン・ディマンド(第1121回)
5金スペシャル映画特集
つながれなくなった世界で出会いを描いた映画が輝く
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 月の5回目の金曜日に普段とはひと味違う特別企画を無料放送でお届けする5金スペシャルは、今回も恒例となった映画特集をお送りする。
 今回取り上げた映画は
1.「秘密の森の、その向こう」(セリーヌ・シアマ監督)
2.「LOVE LIFE」(深田晃司監督)
3.「糸」(瀬々敬久監督)
4.「NOPE」(ジョーダン・ピール監督)
5.「REVOLUTION+1」(足立正生監督)
の5作品。いずれも「出会い」や「見る・見られる」をテーマに、人と人との出会いや、人と人がつながり合うことの難しさとその貴さが描かれている秀作だ。
 なお、番組冒頭では、9月27日の安倍晋三元首相の国葬儀を会場内で取材した神保哲生による報告と、末尾に安倍政権下で7年ぶりに質問の機会を与えられた神保哲生が、安倍氏と3度にわたり事前に取りまとめられていないガチンコ質問をぶつけた際のやりとりを収蔵した。
 容赦なくメディアに介入し、記者会見でも記者クラブ加盟社にはすべて質問を事前に提出させた上で、官邸官僚が用意した答えを総理がもっともらしく読むことにより、国会と並び国民が政権を判断する希少な機会である総理会見を完全に形骸化・セレモニー化させてしまったのも安倍政権の大きな特徴だったことは間違いないが、と同時に政権の終盤ではフリーランスやネットメディアにも事前提出のない質問の機会を与え、自分自身の言葉で答えようと努めていたのもまた安倍氏だった。元首相追悼の意味を込めて、これをここに記録と記憶にとどめておきたい。

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今週の論点
・安倍氏国葬からにじみ出る日本の凋落ぶり
・『秘密の森の、その向こう』と『LOVE LIFE』に共通するロマンチックな呼びかけ
・人とのつながりを描いた『糸』と、夢を見ているような映画『NOPE』
・「見る・見られる」モチーフに連なる『REVOLUTION+1』
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■安倍氏国葬からにじみ出る日本の凋落ぶり

神保: こんにちは。今日は2022年9月30日金曜日、これが5回目の金曜日ということで、今年4回目の5金です。

宮台: 今年は、多くの人にとっては気づきの年ですよね。日本が本質的な意味で落ち目の国なんだということが、よくわかりました。「日本スゲー」という議論は、前にも増して少なくなりました。

神保: データが全部示してしまっています。例えば、円が安くなったことが、日本が落ちていることを意味するということは、どれくらい理解されているのでしょうか。

宮台: いろんな人がいろんな場所で言っています。かつては、円が安くなればそれぞれの現地の価格で安く買えるので、日本の輸出企業が強くなるという話でしたが、それは通用しないということは今や明らかです。一つは、基本的には家電製品や車のような耐久消費財はすでに、日本だけでなく東南アジアなどでもほとんど普及している状態だということです。