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長純一氏:取り残される被災者を作らないということ
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長純一氏:取り残される被災者を作らないということ

2015-03-11 23:00

    マル激!メールマガジン 2015年3月11日号
    (発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/
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    マル激トーク・オン・ディマンド 第726回(2015年3月7日)
    東日本大震災4周年特別番組
    取り残される被災者を作らないということ
    ゲスト:長純一氏(石巻市立病院開成仮診療所所長・内科医)
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     東日本大震災から、この3月11日で4年が経過する。安倍政権は国土強靭化の掛け声とともに公共事業を中心とした防災対策を進めているが、それは最優先されるべき被災者の生活再建につながっているのだろうか。今週はジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が、地震と大津波によって壊滅的な被害を受けた宮城県石巻市を訪れ、復興の現状について、復興の最前線で被災者の生活再建に尽力する医師とともに特別番組をお送りする。
     東日本大震災によって3275人が死亡し、現在も400人以上が行方不明となっている石巻市では、震災から4年が経過した現在も、住む家を失った被災者12,585人が、応急仮設住宅での生活を余儀なくされている。当初の予想を大きく上回る数の被災者が、仮設暮らしから抜けられない状態にあり、公営住宅の供給が追いついていないという。
     過疎地を中心とした地域医療に長年取り組み、2012年から石巻市立病院開成仮診療所の所長として仮設住宅で暮らす被災者のケアを続けている内科医の長純一氏は、震災から4年経った今もなお、先の見えない不安などから希望を失っている被災者が多く、健康状態の管理・改善とともに、心の問題をケアしていくことが重要になっていると指摘する。被災者の自立は、体力や資力がある者から先に始まり、次第に高齢者、低所得者などいわゆる社会的弱者が取り残されていく傾向にあり、石巻でも震災から4年が経ち、自立が困難な被災者が仮設住宅に取り残され始めているという。
     長氏は、日本の災害復興の枠組みの中に、心の問題や生活再建支援の「スキーム」が整備されていないところに問題があると言う。日本の大規模災害にあたっては医療活動や住民支援は民間やボランティア頼りで、政府内にそれを統括する機関もない。そして、復興政策はインフラや箱物が優先され、医療は民間に任せきりになっている。それが災害大国日本の、現時点での災害復興の実力なのだ。
     この問題は20年前の阪神淡路大震災でも繰り返し指摘されていた。しかし、約20年後、東日本大震災に直面してもなお、基本的な問題は解決されていないことが、明らかになりつつある。震災から4年、被災地はいま、どのような問題に直面しているのか。被災地の最前線で被災者の生活再建のために奔走する医師の長純一氏と議論した。

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    今週の論点
    ・震災から4年、被災地の現状とは
    ・災害は天災だが、それにより増加する心の病は人災だ
    ・コミュニティの喪失と「地域包括ケア」
    ・「最先端医学」と「最先端医療」
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