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青山ブックセンター本店・店長の山下優さんによる連載『波紋を編む本屋』。第2回では、書店が文化の一端を担うためにはどうしたらよいのか? 「人のつながり」という視点から考えます。

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撮影:森川亮太

街から書店が消えていくと惜しまれることが多いですが、その惜しまれ方には違和感を感じています。青山ブックセンター本店も2回ほど、閉店、倒産の憂き目にあっている。昨年、六本木店が閉店した際も、ウェブサイトの閲覧が多かったため、サーバが落ちたり、SNSでも多くの反響がありました。

そう、書店は閉店したり経営母体が変わったりするのです。なぜか。当たり前ですけど、書店も商売、ビジネスの一つだからです。今さら何を、と感じられるかもしれませんが、書店の数が全盛時より減っていくにつれ、書店の存在自体が文化と捉えられているような、その感じ方、惜しまれ方に違和感を感じています。日本では、書店に税金が投入されているわけでもありませんし、税制の優遇もありません。

(たしかに、最近はポイント施策等によるグレーゾーンもありますけれども)、基本的には再販制度(再販売価格維持制度)によって、書籍は、書店、コンビニ、ECサイトなど、どこでも一律で同価格で販売されています。日本書籍出版協会によれば「出版物再販制度は全国の読者に多種多様な出版物を同一価格で提供していくために不可欠なものであり、また文字・活字文化の振興上、書籍・雑誌は基本的な文化資産であり、自国の文化水準を維持するために、重要な役割を果たしています。」(一般社団法人日本書籍出版協会ホームページ、読者のみなさまへより)と述べられています。個人的にも本全般と出版は紛れもなく文化だと思っています。

では改めて、書店は文化なのか。NOであり、YESともいえます。なぜNOかと言えば、書店が、そこにただあるという存在自体だけでは、文化とは言えないからです。YESと言うためには、様々な本を実際に並べる場を生かし、読みつがれてきた本を引き継ぎつつ、さらに未来を切り開いていこう書店員の意志があってこそ、書店は本の文化の一端を担っているといえるのではないでしょうか。

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