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平成仮面ライダーシリーズなどでおなじみ、脚本家・井上敏樹先生のエッセイ『男と×××』。今回は敏樹先生の、ふたりの友人のエピソード。彼らの仲が深まったきっかけと、ある病の感染経路について語ります。
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脚本家・井上敏樹エッセイ『男と×××』第66回
男 と 病     井上敏樹 

友人がコロナになった。しかもふたり同時にである。中川(仮名)が三十代、岸本(仮名)が四十代。私とこのふたりは同じ職業という事もあって、ちょくちょく飲食を共にしたり旅行に行ったりする仲である。従って私も罹患してしかるべきなのだが、私が多忙な期間、中川と岸本は夜な夜なふたりで行動を共にしていたらしい。私を仲間外れにしたわけではないが、半端なふたりが半端な遊びをするからこういう目に合うのである。神はいる。『それで、一体どこでコロナに罹ったのだ?』長い自宅療養の末、ようやく保健所から外出許可の出たふたりに私はまずそう尋ねた。『それが……』と、なにやらふたりしてもごもごしている。


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