• このエントリーをはてなブックマークに追加
日本アニメが3D化して完全に滅ぶ日 -『アーヤと魔女』|山本寛
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

日本アニメが3D化して完全に滅ぶ日 -『アーヤと魔女』|山本寛

2021-09-15 07:00
    d74b9e1243959d8013b79549dcd798855f5ee5df
    アニメーション監督の山本寛さんによる、アニメの深奥にある「意志」を浮き彫りにする連載、いよいよ最終回となります。
    2年にわたって続いた連載で取り上げる最後の作品は、現在公開中の宮崎吾朗監督の劇場最新作『アーヤと魔女』です。スタジオジブリ初の3DCGへの挑戦を、どう足掻いても色眼鏡を外しては見てもらえない宿命を背負った「二世監督」が担わされたことの意味とは? そして日本アニメのゆく末は? 吾朗監督との意外な接点のあった山本さんが、真に「アニメを愛するための方法」を切に問いかけます。

    山本寛 アニメを愛するためのいくつかの方法
    第24回 (最終回)日本アニメが3D化して完全に滅ぶ日 -『アーヤと魔女』

    丸2年を迎えたこの連載だが、急な話で恐縮だが、今回をもって一旦休止しようと思う。
    楽しんで読んでいただいていた方には申し訳ないが、最近になって編集部に泣きを入れたり、本文中で愚痴を言ったりして情けない姿を見せていたので、これでご勘弁いただくことにした。

    アニメを観て、語るのが辛くなったのだ。
    もはや悪態すら浮かばない。
    アニメに知性を、批評性を、「モダニズム」を求めるのは、もう無理かも知れない。そう思い始めたのだ。

    そんな絶望感を胸に、最後取り上げる作品には『アーヤと魔女』(2021)を選んだ。

    また「会った自慢」になるが、宮崎吾朗監督(以下親愛を込めて「吾朗さん」と呼ぶ)とも1回だけお会いして、じっくり話をさせていただいた。
    実は僕の実写作品『私の優しくない先輩』(2010)に父親役として吾朗さんをキャスティングできないか、とダメ元でオファーしてみたのだ。
    結果NGは出たが、「そんなオファーを出す監督は面白いから会ってみたい」と、スタジオジブリにまで呼ばれた、というのが経緯だ。
    まだ東小金井駅の高架化工事が終わっていなかった頃の話だ。

    その時は「初ジブリ」の過度の緊張で何を話したかはほとんど覚えてないのだが、かの有名なプロデューサー室に通されて固まったように座り、少しして吾朗さんがやってきて開口一番「いやぁ……代わってほしいっすよ……」と泣き言を漏らしたのだけは覚えている。
    それからランチをご馳走してくれることになり、近くのイタリア料理屋に吾朗さんの運転で連れていってもらった。
    そこで何を話したかもまた覚えていない。
    しかし帰りの車中、助手席に座っていた僕は、少しでも爪痕を残そうと思い切って訊いてみた。
    「あの、一番好きな映画監督って、誰ですか?」
    吾朗さんは少し考えて、
    「そうだなぁ……(ヴィム・)ヴェンダースかな?」

    僕はすぐ『ゲド戦記』(2006)を思い出していた。
    ああ、この人はやっぱり、こういう作風だったんだ。


    09a0e81a04a7364bf79e62b417a59523985978f0
    ■PLANETSチャンネルの月額会員になると…
    入会月以降の記事を読むことができるようになります。
    ・PLANETSチャンネルの生放送動画アーカイブが視聴できます。

     
    この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
    【社内デバック用:有9-4★当月なので入会導線だけ表示】
    入会して購読

    チャンネルに入会して、購読者になればこのチャンネルの全記事が読めます。

    入会者特典:当月に発行された記事はチャンネル月額会員限定です。

    ブログイメージ
    Daily PLANETS
    更新頻度: 毎平日朝7:00
    最終更新日:2021-09-25 09:00
    チャンネル月額: ¥880 (税込)

    チャンネルに入会して購読

    ニコニコポイントで購入

    当月に発行された記事はチャンネル月額会員限定です。

    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。