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【第2回】代議制民主主義の危機とネットによるテーマコミュニティ再編 - 鈴木寛×平将明×堀潤×宇野常寛が大隈講堂で話し合った「新しい民主主義のカタチ」
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【第2回】代議制民主主義の危機とネットによるテーマコミュニティ再編 - 鈴木寛×平将明×堀潤×宇野常寛が大隈講堂で話し合った「新しい民主主義のカタチ」

2014-01-27 11:38
    早稲田大学公認学生団体鵬志会の後期講演会で2013年12月22日に行われた、大隈講堂でのシンポジウム「新しい民主主義のカタチ ―僕らは政治を変えることができるのか―」の書き起こしの特別配信です。

    ネット選挙解禁で見えてきた、インターネットと政治をめぐる新しい問題――。
    このシンポジウムでは、2013年の参院選で東京都選挙区から立候補した鈴木寛氏らを迎えて、今後の民主主義について熱く議論を交わしました。2013年の参院選をめぐる反省に始まり、民主主義の根幹をなすコミュニティが今後どうあるべきかにまで及んだ熱い議論が展開されました。今回は、その3回に分けた配信の第2回です。

    ■出演者
    ・鈴木寛氏(元文部科学副大臣)
    ・平将明氏(自由民主党衆議院議員)
    ・堀潤氏(市民ニュースサイト「8bitNews」代表)
    ・宇野常寛氏(評論家/「PLANETS」編集長)

    ▼ 前回の配信はこちらから読むことができます。

    http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar441687

    第2回:代議制民主主義の危機に際して

    ■ インターネットの「世間」とどう向き合うか

    堀 今回、早稲田大学の大隈講堂での講演ということで、ご覧いただいたらわかるように若者たちも結構たくさん来ています。若者の投票率がなかなか上がってこないのですが、そこに若者たちが入ってくればですね、固定層から無党派層の取り込みというか、そうした今まで動いてこなかった票が動く。2%でも動くと、なにかが変わる。実際、民主党政権が誕生したあの時には、若者の投票率が跳ね上がって、政権交代が起きていったわけですよね。ところが、あの痛手を僕らは二度と見たくないという無力感もあって、「別に政治はさ」という声も出てきた。
    そこで逆に、若者たちの投票行動というか、政治参加を促していくにはどのようなことをやっていく必要があるのかということを、ぜひお伺いしたいんです。

    宇野 その前に聞いてみたいのが、若者って本当に鍵なのかなということです。ちょっと疑似問題のような気がしませんか。若者が選挙に行けばもっと違った結果が生まれるんだ、というのは幻想だと思う。
    実際のところは東京においては、無党派層がすごく多いので、今までの選挙とは違うルールで動いている。参議院や東京の選挙区だと中途半端にネット選挙とかを解禁すると、今回みたいな恐ろしいことが起こってしまうということくらいしか言えないと思うんですよね。
    僕の考えでは、これから若者層を中心に政治を変えるのなら、もっとほかのシナリオを構想した方がいい。
    たとえば社民連とか新自由クラブの人たちは、都市部のインテリの無党派層を組織化しようと、この数十年すごく頑張っていたわけですよね。しかし彼らは、それに失敗し続けて、あれくらいの勢力にとどまってしまった。でも、ライフスタイルがかなり変わってきた今だったら、もしかしたら新自由クラブや社民連ができなかった都市のリベラルなインテリ層の組織化を、インターネットを使ってある程度できないか、と思うんです。

    そういうことを一回考えてから選挙に望むべきだと思うんですよ。つまり、ふわふわ浮ついている無党派層をね、メディアを使って頼るというのでは、炎上マーケティングしかなくなっちゃうんですよ。これを打開するには、本来ダマになっていない都市部の富裕層、浮動票の持ち主、無党派層というのをいかに組織化するのかということを考えるべきだと思うんですよね。

    そのときに例えばキーワードになるのが、ライフスタイルの違いだったりすると思うんですよ。例えば、民主党って、つまずいた原因の一つが明らかに連合問題なわけじゃないですか。「自民党と違って私たちはリベラルです、弱者に優しい社会を自民党よりはちゃんと作ります」と一応は言う。でも、バックに連合がいて、男性大手企業正社員の、既得権益保護団体がバックについていて信用できるのかと、当然みんな思うわけですよ。
    実際のところ、本当に民主党の、しかも東京とかに地盤を持ってる人がやるべきことは、そうじゃないと思う。戦後的なサラリーマン家庭のライフスタイルから離れてしまった、新しい日本人たち、おそらくさっきすずかんさんが仰ったような、本とネットで生きていて、テレビを見ない人たちを、どう組織化するのかを考えた方がいいと思うんです。

    そもそも、ネット、ネットとは言うけれど、やっぱりメディアとしての「煽り力」で挑戦するとテレビには勝てないし、成功したとしても、もう一個のテレビになるだけなんですよ。そうじゃなくて、地域を超えて人を結びつける力だったり、意識的に人々が発信できる側面を上手く使って、本来組織化できない人たちをどう組織化するかを、僕は考えるべきだと思うんですよね。

    平 やっぱりね、「ちょっと最近のマスコミおかしいだろうな」という人がいる。そういう人が、玉石混淆だけども、ネットにもそれなりにクオリティの高いものをみつけると、そこから情報を入手できると思うんですよね。だから、インテリ層の組織化はできないけれども、言い方は悪いけれども、実はインテリ層とアクセスするリスト化みたいなものは、ネットのツールを使えばできる。そのくらいのことになると、ネットがなければ逆にできなかった。
    民主党が組合に頼るのも、自民党があらゆる団体に頼るのも、ネットがなかったからですね。その組織の下に色んなメンバーがいる人たちを、押さえる必要があったわけですね。でも、自民党にしても民主党にしても、伝統的な支持層はどんどん縮小していて、その代わりに無党派というニューマーケットのシェアがどんどん大きくなっていた。ここにアクセスする方法を我々は持っていなかったところに、インターネットが出てきた。 
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