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月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」3月14日放送書き起こし! ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.545 ☆
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月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」3月14日放送書き起こし! ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.545 ☆

2016-03-21 07:00

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    月曜ナビゲーター・宇野常寛
    J-WAVE「THE HANGOUT」
    3月14日放送書き起こし!
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2016.3.21 vol.545

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    大好評放送中! 宇野常寛がナビゲーターをつとめるJ-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。前週分のラジオ書き起こしダイジェストをお届けします!


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    ■オープニングトーク

    宇野 時刻は午後11時30分を回りました。みなさんこんばんは、宇野常寛です。あの、ちょっと宣伝とかしちゃっていいですか? マジで時間がないので。このラジオをたまたま聞いた人は、僕が何者なのかよくわかってないと思うんです。単に、アラサーOLの自分探しメールに対してズバズバものを言う人だとか、中学生の恋愛相談に「今すぐLINEを送れ!」とか言っている人だと思っている人が多いと思うんですよ。実際そうなんですけど……ちょっと告白してもいいですか。僕ね、じつは評論家なんですよ。物書きなんです。本を書いて生活しているんですよね。もうちょっと告白してもいいですか。実は僕、小さい出版社を経営しているんですよ。

    このラジオを最近聞き始めた人、特に若い人は知らないと思うんですけれど、そもそも僕は自分の雑誌を自分のお金で作って、それがネットで評判になって売れて、世に出てきた人間なんですよね。今も「PLANETS」という小さな出版社を経営していて、そこでずっと自分の雑誌を作ってきているんです。そして去年の年末、うちの出版社から初めて普通の単行本を出したんですよ。誰の本かというと、この番組にも何回か遊びに来てくれた落合陽一くんの本なんです。日曜朝のTV番組「サンデージャポン」にも最近よく出ていたり、「現代の魔法使い」と言われている、黒づくめの格好をしている若い科学者ですね。実際に国内外でいろんなすごい賞をもらっていて、いま全国のとりわけ工学系の理系男子の間でスターのような存在ですね。彼がなんの研究をしているかというと、ちょっと難しいんですけれど、映像の次のビジュアルイメージというものを作ろうとしてるんですよ。音波で物を浮かせたり、触れるレーザーを作ったりして、「映像の次のモノ」を発明しようとしている男なんですよね。その自分のテクノロジーを使ってアート作品もいっぱい作っていて、いま20代で一番勢いのあるメディアアーティストでもあるんですよ。

    そんな落合君と僕は昔からちょっとした知り合いで、その彼の初めての本を、僕が編集して作ったわけなんです。それが去年の年末に初めてうちの会社で出した『魔法の世紀』という本です。20世紀って「映像の世紀」といわれるんですけれども、これは映画やテレビの「映像」が社会を作っているということなんですね。特にテレビがあることによって、これだけの規模の社会が維持されているのが現代社会なんですよ。それがインターネットが生まれてから少しずつ崩れてきた。さらにデジタルテクノロジー、つまりコンピューターのテクノロジーがこの先どんどんと進んでいくと、その状態も変わってくるだろうと。映像が社会を作らなくなって新しい社会が生まれるというふうに落合君は考えていて、その21世紀の社会の姿を自分の研究を例にして説明したのがこの本なんです。発売したのは3か月ぐらい前なんですけど、おかげでかなり話題になってるんですよね。いま、いろんな大学の若手研究者たちがこっそり読んでカンニングしてるぐらいです。なんでそんなことがわかるかというと、僕ってこの本の出版社の社長じゃないですか。だから「◯◯大学の生協から取り寄せが1部ありました」みたいなデータを知ってるんですよね。だから「この大学で買っていそうなのは多分こいつだな」というところまでわかるんですよ。そんな注文がけっこうたくさんあって、全国の研究者が相当カンニングしているような本なんです。

    ちょっと真面目な話をすると、本当に今の出版社のビジネスモデルはもう崩壊していて、1冊あたりの出版物にかけられる手間が、もう昔の何分の1になってるんですよ。実際に物書きとしていろんな出版社と付き合っているからよくわかるんですが、本当にお金がないし、1人あたりの編集者のノルマもすごくたくさんあるし、出版の編集も営業も1冊の本に手をかけていられないんですよね。僕は本が好きでこういう仕事してるから、そのことがもう本当に嫌なんです。もうこうなったら「自分の会社で自分が納得がいく手間と暇をかけたクオリティの高い本を作れるようにするしかない」と思ったんですね。実際、ビジネス的には賭けだったし、勇気が必要だったんだけれど、「自分の会社で若い人の本を出そう」と決めたんですよ。


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