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山田玲司のヤングサンデー 第407号 2022/9/19

水の下は地獄だけか?

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今週のヤンサンは「ルパン三世 カリオストロの城」でした。

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メインは宮崎作品の「水」について。


人はいつも何かについて騒いでいるけれど、いつも物事の表面しか見ていない。

「本当の事」はもっと深いところにあって、それを見なくてはいけない。


宮崎駿にとってのアニメとは、そんな「隠蔽された真実」を観客に見せて、何かを変えることなのだろう。


彼の作品は社会を暗示する「構造」があって、それが「城」などの建物だったり「国」などで現れる。


そのほとんどが「縦」の構造を重視していて、主人公は「上」にいる者たちや「下」に広がる世界を見せる。


特に機関室、腐海、ボイラー室、地下水路、遺跡など「下」の見せ方は凄まじい。


それらは「歴史」であり「犠牲者」であり「浄化をするものたち」だったりする。


出来上がった美しいアニメが「上の世界」(飛んでいるキャラクター達)だとすると、下の世界はそのために血と汗を流すアニメーターなのかもしれない。


宮崎作品はやたらと「水の中」に入る。

そこには「真実」が隠されている。

人はそこに飛び込むことで「水面の上の虚構の人生」から開放されるわけだ。


放送でも言っていたけど、彼の描く「水」とは「世の中の空気」みたいなもので、それは常に真実を見えづらくする。


僕も漫画で「隠蔽を剥ぐ」というテーマを描いていたけど、宮崎作品はそれを70年代から続けてきたわけで、本当に頭が下がる。



【見えている】


僕は午前中にBSのニュースをなんとなく見ることが多い。