声優の山下大輝さんと、ライトノベル作家の駱駝さんのトークバラエティ「山下駱駝」。第12回(11月5日放送)のゲストは鈴代紗弓さん!
 
駱駝さんが世界観設定・小説執筆・アニメ脚本を手がけるシャインポスト青天国 春(なばため はる)役であり、山下さんとはアーツビジョン所属同士の先輩と後輩といった間柄。
 
お二人とは仕事で関わることが多い鈴代さんの新たな一面が見られたことで、番組は大盛り上がり。
11月5日に生放送された本編は、チャンネル会員限定で【こちらからアーカイブ】配信でご覧いただけます。
 
ここでは、放送直後のインタビュー後編をお届けします。
 
なお今回は関東ローカルの話が多めでして、その他の地域の皆さん、申し訳ありません……。

(取材・文:かーずSP

 
■年齢を重ねると変わってくる!? カカオの含有率の話
 
───次の質問です。ペンネーム「ずっとすねかじり」さんから。
「この前カカオ95%のチョコレートを食べました。あれ苦いですね(笑)
3人はカカオ何%くらいのチョコレートが好きですか?食べ比べて教えてください」
 
山下「これはですね……年齢とともに変わってきた感があります。
昔は72%カカオチョコなんて『なんだよこれ!』って思っていたんですけど、最近美味しく感じられて、『ああ、これが加齢というものか……』みたいな」
 
駱駝「あはは!」
 
山下「72%は普通に美味しく感じられるようになってきた。ビター味を銘打ってるチョコも、ちょっと甘いかな?なんて思うくらいに、味覚が変わってきたかも」
 
駱駝「俺はカカオとか興味を持って見たことがないけど、甘党だから、いまだにMeltykiss(メルティーキッス)だよ」
 
山下「ミルクチョコだから超甘い、それもそれで美味しいよね」
 
駱駝「あと昔のCMで印象的なアレも好き……森永チョコレートの、こ、小技(こわざ)?」
 
山下「小枝(こえだ)じゃないの?」
 
駱駝「いやいやいやいや! 昔のCMでV6の森田剛くんと風間俊介くんがやってたじゃん! 『こ、こわざ?』って」
 
駱駝さん以外の人たちが全員首をかしげます。
 
山下「今のところ認知度が0人よ!(笑)」
 
駱駝「マジかよ!?」
 
───鈴代さんはどうですか?
 
鈴代「私はビターが好きで、黒っぽい箱に入ってる86%を選びがちです。
好きな食べ物を訊かれた時には『ラーメンとビターチョコレート』と答えているくらいの大好物です。
でも一回だけ、100%のチョコにチャレンジしてみたんですけど、それはちょっと……さすがにカカオすぎちゃって(笑)」
 
山下「大人ですね、僕は絶対に食べられないな……」
 
駱駝「あったあった!」
 
スマホをいじっていた駱駝さんが、急に画面をこちらに向けて、V6のCMを見せます。
 
駱駝「ほらほらほら! 見てくださいよこのCM、ちゃんとあったでしょ? これをパロったんだよ!」
 
山下「全員に認めさせるまで諦めない……絶対に認めさせ隊じゃん!(笑)」
 
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■関東のラーメン屋さんをお薦めしまくる隊
 
駱駝「今、ラーメンが好きっておっしゃってましたけど、二人がお薦めする美味しいラーメン屋さんはどこ?」
 
山下「西武新宿駅の近くの『たかはし』って塩ラーメンがマジで旨い!」
 
検索した鈴代さん「うわー美味しそうー!」
 
山下「しかもここは『ご飯をスープに入れて食べてください』って推奨してて、卓上にある火薬、お茶漬け用の薬味をお好みで振りかけるんですよ。味が濃くてしょっぱくて旨いんです」
 
鈴代「チャーシューも美味しそうですね、行ってみます!」
 
駱駝「鈴代さんは?」
 
鈴代「私が最近ハマってるのが鶏白湯(とりぱいたん)ラーメンです。銀座だったかな?」
 
山下「鶏白湯、美味しいよね! 僕も鶏白湯で好きなお店が麻布十番にある」
 
鈴代「広尾の近くでしたっけ……?」
 
スマホで検索していた駱駝さん「『156(イチコロ)』?」
 
山下「そこ!」
 
鈴代「そうです!」
 
駱駝「それはそうと、さっきから鈴代さんの口から『銀座』とか『広尾』とか、VIPな街の名前が飛び出してるんだけど……セレブ?」
 
鈴代「違います違います!(笑) ラーメン好きな先輩に連れて行っていただいて、美味しかったなって」
 
駱駝「ちなみに俺のお薦めは八王子の『らーめん 圓(えん)、美味しいよ」
 
山下「八王子遠いわー」
 
駱駝「じゃあ新小岩の『麺屋一燈(いっとう) とか美味しいよ、すごく並ぶけど」
 
鈴代「あと私がお薦めするのは保土ヶ谷にある櫻井中華そば店。カップ麺になるくらい美味しくて、TVでも特集されるお店なんです。他には高円寺だと、竹岡式ラーメンの……」
 
山下「何その高床式倉庫みたいな(笑)」
 
駱駝「わはは!(笑)」
 
鈴代「焼肉屋さんなんですけど、お昼だけラーメンもやっていて、めちゃくちゃ美味しいんです」
 
スマホで検索していた駱駝さん「焼肉屋『オホーツク北見焼肉のっけ』高円寺本店、ここかな?」
 
鈴代「そこです!」
 
駱駝「味わえるのは昼だけって書いてあるな。俺たちのような不規則な仕事してる人には行きやすい(笑)」
 
 
■声優キャリア5、6年目の葛藤。いろんな経験をして、自分の適性を知る事が大事
 
駱駝「声優ってライバルっているものなの?」
 
山下「例えばオーディションに行くたびにすれ違う人って、ライバルになるんじゃないかな?」
 
駱駝「それで、自分が落ちた時にはどうしてるの?」
 
山下「人それぞれだと思うんだけど、僕は基本的に忘れるようにしてる。心がしんどいし、そんなに強くないから、忘れないとやってられんのよ!」
 
駱駝「前にも言ったけど、山下は性別関係なしに戦うことが多いよね」
 
山下「それはそう。少年役は女性声優もオーディンションに呼ばれるから。
でも女性と男性だと求められているベクトルが違うんですよ。
少年キャラに、女性的な優しさや可愛らしさを求める作品もあるから。そういう時は自分が落ちても、それは腑に落ちるというか、納得できる」
 
駱駝「『仕方ないな』って負けても気持ちいいやつね」
 
───山下さんが鈴代さんの年齢の時に、努力していたことはありますか?
 
鈴代「23なんですけど、早生まれなんで24歳の学年と一緒です」
 
駱駝「wikiには24歳って書いてあるよ? だから本番で24歳って言ったのに、Wikipedia情報にまた騙された(笑)」
 
鈴代「逆サバ状態(笑)」
 
山下「23、4か……がむしゃらに『弱虫ペダル』をやっていたことしか覚えてない、そんな時期でしたね。とにかく毎回すごくセリフをしゃべるし、叫ぶし、それだけじゃなかったし。毎日必死だった気がする」
 
鈴代「もしよかったら、この場をお借りして、 キャリア5年目の時ってどんな感じかお訊きしたいです」
 
山下「僕は2011年に事務所に入って、2016年か2017 年……何やってたんだろう?」
 
駱駝「ちょうど私がデビューした時だ、今もピチピチの35歳」
 
駱駝さんのボケを、全員が軽くスルー。
 
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山下「最初は名前を覚えてもらうために、いろんな番レギ(番組レギュラー)に顔を出していて、それこそ男性ユニットのアイドル作品が出始めた時期だったと思う。
それまでの男性アイドルものって『うたプリ』(うたの☆プリンスさまっ♪)など少ししかない状況で、この時期から男性アイドル作品が次々に出てきたんですよ」
 
───今は超人気の男性アイドルコンテンツ群が、登場したての時期ですね。
 
山下「やっと僕もそこに参加できるようになってきた頃でした。
だから鈴代さんが抱えている大変さは、もちろん僕にもありました。アフレコよりも歌を一番始めに収録するのもそうでしたし」
 
───まさに鈴代さんの今の状況を、当時経験したわけですね。
 
山下「そう、だからすごいわかります。鈴代さんもキャリア4~5年目で、声を吹き込む以外にもいろんな仕事が入ってきて、『これで本当にいいのかな?』って悩みも絶対出てくる時期だろうというのは想像できます」
 
鈴代「はい」
 
山下「僕もそのくらいの時期、声の仕事以外にも増えてきたがゆえの悩みが出てきて、『声優ってこんなに色々なことを求められるし、いろんなことをやるの!?』って難しさとか、考えてた時期かもしれない」
 
───それを乗り越えたのは……?
 
山下「やっぱり時間と経験が解決するというか」
 
駱駝「あと諦めの感情も必要になってくるでしょ?」
 
山下「まあ『諦め』っていうと悲しいけれども……何だろうな、心の持ち方を変えたり、アプローチの仕方を変えたり。
すべての仕事を100%全力で挑むことは大事なことだけど、そればかりだと、自分のキャパシティをオーバーして、自分を追い詰めてしまう
 
───疲弊しちゃいますよね。
 
山下「どこまで厳しい状況に耐えられるのか、自分のキャパって経験しないとわからないんですよ。
だから新しいことにもとりあえずトライしてみて、意外とやってみたら面白いみたいな発見もあるし、もし失敗したとしても、それも経験になりますから」
 
鈴代「はい!」
 
山下「自分に合う/合わない。しんどい/しんどくない。とにかく経験してみて、自分にどういう適性があるのか、ちょっとずつ分かってくるんじゃないかな?
そう言ってる僕も、今もその真っ最中だと思ってます。
声優業界は今もどんどん目まぐるしく変化していて、いろんなことを挑戦して、もしも失敗しても『自分の土壌じゃないし!』って開き直るくらいでちょうどいいんじゃないかな(笑)」
 
鈴代「なるほど、もうちょっと楽観的になってもいいんですね」
 
山下「たくさん自分の中に取り込んでみて、『これは美味しい』『これは無理!食べられない!』みたいに、いったんは口に入れてみる」
 
鈴代「ここ1年ぐらい、頭の中でぐるぐるしていた悩みがあって、自分で何とか答えを出そうとしても、答えが見えてこなかったんです。
そのことをお話ししてたわけでもないのに、めちゃくちゃ芯に突き刺さりました!
 
駱駝「鈴代さんの悩みポイント? トイレが逆流するとか?」
 
鈴代「それは過去の話ですから!(笑) 今のお話を伺って、今後の導かれる道を指し示してくれました!」
 
駱駝「山下を信じすぎるなよ?(笑)」
 
鈴代「いやいやいや。ありがとうございます。これが私の輝く道標!
 
駱駝「かぶせてきたな(笑)」
 
鈴代「はい(笑)」
 
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※『シャインポスト』のキャッチフレーズ「世界中の人たちにアイドルを大好きになってほしい! そのための輝く道標……それが、シャインポストだよ!」
 
鈴代「本当にありがとうございます。『これって向いてないんじゃないかな?』って思ったときも、チャレンジしてみて、本当に合うかどうか確かめるのも大事なんですね。めちゃくちゃ頑張ろうと思いました!」
 
駱駝「やってみてもいいけど、限界を感じた時は素直にギブアップしたほうが良いと思う」
 
山下「それはそうだね。困った時は、他の人に相談するしかない」
 
───山下さんは誰に相談するんですか?
 
山下「直接言えるのはマネージャーさんだから『今、自分はこういう状況だ』って、しんどすぎる状況の時は言ってましたね。
自分の状況は自分しかわからないので、相手に相談しないと伝わりませんから」
 
このお話は声優に限らず、どの仕事にも通じるものがあると感じました。仕事に慣れてきた頃、やるべき仕事の種類も増えていく。その中で疲弊してしまうのは、私個人にも思い当たる事でした。
声優のキャリア相談にお答えいただいた山下さん、食い入るように言葉を噛みしめていた鈴代さんが印象的なインタビュー。今回は後日談があります。
 
解散間際で、鈴代さんが着ていた番組Tシャツをどうするかスタッフさんに訊くと、
 
スタッフ「そこに置いてもらったらOKですし、もしも気に入ったら、持って帰ってもらっても全然大丈夫ですよ。
またゲストに来ていただく時に、着てきていただく感じで。」
 
鈴代「あ、じゃあまたゲストに呼んでいただきたいので、置いておきますね(笑)」
 
2回目のゲストにお越しいただけるフラグになるのか!?
『シャインポスト』で大いに盛り上がった鈴代紗弓さんゲスト回でした!


(取材・文:かーずSP