「SAPIO」連載『大東亜論』のコンテをやっている。
途中まで描いてみたところで、新しい登場人物のキャラを
もっと立てなければと思い、また描き直している。
新人漫画家の頃は自分のコンテの欠陥を編集者に
指摘されていたが、さすがに40年も描いていると、
自分で描くコンテを客観的に見る感覚も身についてきた。
遅すぎると思うが、遅咲きじじいなんだから仕方がない。
それに新人の時代はギャグ漫画だから、客観性の担保が
そもそも難しい。
何を可笑しいと感じるかは人によって違うのだから、
主観が強烈な才能に、読者が巻き込まれて
笑う場合もある。
編集者とて予測がつかないのがギャグ漫画だ。
今は基本がストーリー漫画なので、これにはテクニックの
積み重ねが発揮される。
わしはストーリー漫画はまだ未開拓なので、
今からもっと上手くなるだろう。
『卑怯者の島』はわしの完全ストーリー漫画の
切り札の一枚だ。
完全ストーリー漫画もこれから第二弾、第三弾と
描いていきたい。
雑誌連載ではなく、単行本描き下ろしで発表したい。
『大東亜論』は歴史的事実を入れながらの物語だから、
司馬遼太郎がやったことに近い。
これはこれで、わしの新たなジャンルの開拓である。
日曜いっぱいで今描いているコンテを完成させて、
月曜に仕事場に送る予定だ。
スタッフは直ちに連載優先で、ペン入れに
取り掛かって欲しい。