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合気とは何か――? Dropkickサイトでも取り上げた柳龍拳や、最近「巌流島」に登場した渡邉剛など、実戦で無残にも敗れ去る自称“合気の達人”たち……。合気の達人は存在しないのか、合気の技術は通用しないのか? 合気の幻想と現実を探るべく訪れたのはヤノタクこと矢野卓見の道場だ。
合気を源流とする骨法にかつて身を置いたヤノタク。独自に研鑽を励むうちに師匠に疎まれていった経緯は、こちらのインタビュー(http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar483646)をぜひ読んでいただきたいが、「合気の習いたいなら俺が教えてあげますよ」というヤノタクに武道の幻想と現実を語ってもらった。合気道、好きか嫌いかはっきりさせろ♪(骨法のテーマ調)。



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par18 http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar841870

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――つい先日『巌流島』というイベントに“合気の達人”を自称する60歳の方が出場されたんですが、試合では何もできずに負けてしまったんです。

矢野 その試合の記事はなんとなくは読みましたけど。

――矢野さんは以前「合気道の道場に通っても無駄。合気の習いたいなら俺が教えてあげますよ」とおっしゃってましたけど、本当に合気の達人は存在するのかを含めて聞かせてください。

矢野 合気の達人は実在しますよ。

――ホ、ホントですか! どこにいるんですか?

矢野 ……俺かなあ? ハハハハハハ!

――達人は目の前にいた!(笑)。

矢野 まあ俺が合気を身につけた経緯を含めて話をしますけど、まず合気にはどんなイメージがあります?

――自称“合気の達人”のデモンストレーションにもありましたが、わずかな力で相手を吹き飛ばしたりするイメージはありますよね。

矢野 一般的にはそうですよね。簡単に言うと、合気というのは、相手を投げ飛ばす技術ではないんですよ。そういうことを言ってる合気の人間がいたら、全部インチキですね。

――なるほど(笑)。

矢野 そういう人間はまず合気自体がわかっていない。合気がわかってないからそういうインチキなことを言う。

――ちょっと触れただけで相手が吹き飛んだり、痛がるのはインチキなんですか?

矢野 インチキというか、簡単に言えば、タネがありますよね。手品というには手品師の方に失礼なんですけど。

――たしかに手品師には失礼なクオリティなものが多いですね(笑)。

矢野 相手が吹き飛ぶとかやってるのはヤラセですよ。彼らが持ってる合気のイメージがそういうもので、それを弟子を使って再現して「私は合気の達人で〜〜す!」とか言ってるだけで。ああいうデモンストレーションをやってる時点で合気とは何かをわかってない。なんでインチキをやるかというと、合気ができないからやるわけですよね。そもそも合気の道場は世の中にたくさんありますけど、そこで合気は身につかないですから。

――すると、なんのためにの合気道道場なんですかね(笑)。

矢野 なぜ身につかないかというと、要は型稽古しかやらないじゃないですか。開祖が作った型をそのとおりに再現するだけ。たとえばですよ。“自転車に乗る型”があったとして、自転車にも乗らずにその型をやり続けて自転車が乗れます?

――難しいですね。

矢野 そういうことですよ。かたちを真似しただけで自転車には乗れない。自転車を乗るにはバランスを保つ実地訓練をしないといけないんです。結果的には乗れたかたちをトレースにしたところで自転車は乗れないんですよ。

――野球で素振りだけをやったところでボールは打てないようなもんですか。

矢野 この角度から来た球をこのタイミングで……という素振りは意味があるんです。素振りというのは実戦を想定するから意味があるんです。タイミングの練習、身体をどうスムーズに動かすかという。

――合気の型稽古も何か目的をやってれば意味があるということですか?

矢野 いやあ、合気の道場でやってる型は、それをやり続けたところで、あらゆるシチュエーションに対応できないというか、合気は身体をどう使うかなんで……。たとえばここにぶら下がってるサンドバック、力いっぱい押せば動きますよ。でも、地面を踏ん張る足の力を腕に伝えることで、無理に力を入れなくてもサンドバックは前にドーンと動くんです。これが合気です。

――要は正しい身体の使い方が“合気”というか。

矢野 そうです。それは皆さんも普段の生活で無意識にやってることでもあるんですよ。

――そこを意識化することが型稽古というわけですね。

矢野 そうです。自分の動きの中に意識的に合気を取り入れることで機能向上するというか。だから合気というのは攻撃にも使えるし、防御にも使える。

――矢野さんはどこで合気を習得したんですか?

このインタビューの続きと、破壊王伝説、金原弘光、呪われたIWGP、ウルトラマンロビン、猪木快守、マキシモ・ブランコ、笹原圭一書評などの記事がまとめて読める「詰め合わせセット」はコチラ http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar863994