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「効率とか合理性が重視される社会で子供を育てるということ」
コメ6 草の根広告社 70ヶ月前
保育園に入れないと仕事ができないという悲痛な声を数多く目にする季節になったけれど、保育園に入れたからと言って必ずしも満足に仕事ができるわけではないというのが子供を保育園に預けて一年が経っての実感だ。
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「3分間のロックンロールを作るよりも人間一人を育てることの方がよほど芸術的だ」
コメ0 草の根広告社 70ヶ月前
「3分間のロックンロールを作るよりも人間一人を育てることの方がよほど芸術的だ」と言ったのはジョン・レノンだ。子育てをする父親と言われて未だ多くの人が真っ先に名前を挙げる人物かもしれない。僕自身、子育てにおいて壁にぶつかるたびにジョン・レノンはこういう時どうしていたんだろうと思うことがしばしぱある。...
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「子育てとは人の心を育てるものだったのか」
コメ0 草の根広告社 70ヶ月前
横断歩道で転んだ娘が泣きそうになったとき、咄嗟に僕はこう言っていた。「つむぎのつはつよいのつ!」 泣く寸前だった娘が顔を上げた。「…つむぎのつは、つよいのつ?」 溢れる涙を必死に堪えようとしているように見えた。
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「ただ好きが増えていく」
コメ0 草の根広告社 70ヶ月前
パパ好き、ママ好き、と話し始めた頃から食後の歯磨きみたいに娘が言う。その後、ばあば好き、じいじ好き(妻の両親のこと)が加わり、パパのママ好き、パパのパパ好き(僕の両親のこと)が加わり、最近は「なんとか先生好き」がラインナップした。まるで誰かと出会うたびに登録者が増えていくスマホの電話帳みたいに。
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「成熟した人間は、必要とされることを必要とする」
コメ0 草の根広告社 70ヶ月前
違う、と娘が首を振った。妻が用意しておいてくれた服に着替えさせようとした時のことだった。今日はそれじゃないのだという。「じゃあ、好きなの選んでおいで」 娘はどたどたとクローゼットに向かった。多少の時間は掛かっても無理強いはしないことにしている。いや、できるようになった。最近になってようやくだ。...
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「僕らは誰かを救うために生まれてきたのかもしれない」
コメ0 草の根広告社 71ヶ月前
子供の成長というのは元々プログラムされていた機能が時期が来ると自然に覚醒するものなのかと日々思わされる。ひとり一人違っていていいはずなのに本当に不思議だ。
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「パパ、お月さまとって!」
コメ0 草の根広告社 71ヶ月前
冬は保育園から出るともう真っ暗だ。最初のうちは「まっくらくらだからこわい」と言っていた娘も最近は慣れたのか、夜空を見上げて月を探すようになった。「つむちゃん、お月様にいたの」と呟いた生前記憶のせいだろうか。月に興味を抱いたタイミングで何の気なしに「お月様にはうさぎがいるんだよ」と教えたせいだろ...
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「Pretty Amazing Sister」
コメ0 草の根広告社 71ヶ月前
年上の女性とおつきあいしたことがない。年上の女性に恋心を抱いたことがない。別に確固たるポリシーがあるわけじゃないけれど、はっきりとした理由はある。
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「雲がいじわるしてるね」
コメ2 草の根広告社 71ヶ月前
ヒーターの効いた室内から海上に広がる曇り空を見ていた。「お天気悪いね。海に遊びにいけないね」残念そうに言うと、娘が仕方なさそうに口を尖らせた。「くもがいじわるしてるね」
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「休みの日に娘をどこに連れていくのかという問題」
コメ0 草の根広告社 71ヶ月前
七草粥の朝餉とともに妻の仕事と娘の保育園も再開した。ひと足先に仕事始めを終えていた僕にとっても本格的な一年の始まりである。それにしてもこの正月休みはどこにも行かなかった。粥を食べて、近所の温泉に浸かり、浜を散歩する以外は、眠れるだけ眠って体調を整えているだけで気がついたら終わっていた。七草粥と...
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「生きるということ」
コメ0 草の根広告社 72ヶ月前
「てぶくろ」と朝の出掛けに娘が言った。雨でもないのに長靴を履いている。どうやら外は雪だと思っているらしい。妻に聞くと天気予報で北海道の雪景色の映像を見たせいじゃないかという。玄関を開けると雪こそ降ってはいないけれど、確かに手がかじかむような寒さだった。
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「2100年のやくそく」
コメ0 草の根広告社 72ヶ月前
浜辺に続く小径を歩く。僕の左手の中に娘の小さな手の温もりがある。気がつくと意識が現実感の伴わない次元を漂っていた。ごはんを食べさせたり、おむつを換えたりと我を忘れて目の前のことに追われているときはどこかに行っている疑問についてぼんやりと考えていた。この小さな命はどこからやって来たのだろう。何の...
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「君は本当に何もかも忘れてしまうのかい?」
コメ1 草の根広告社 73ヶ月前
娘が入院していた夜のことだ。面会時間が終わる20時間際、妻を残して帰ろうとした僕に、娘が小さな目に涙をいっぱい溜めて「また来てね」と言った。同じ屋根の下で暮らしている僕に「また来てね」なんて言ったのは初めてのことだ。こっちが泣きそうになってしまった。