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「2022年の車選び」
コメ0 草の根広告社 35ヶ月前
年末年始はいつも頭の片隅に車選びがあった。クリスマスの故障で車のない年末年始を余儀なくされたからだ。三浦半島の駅から離れた海辺の町で暮らす僕らにとって車はなくてはならない生活手段のひとつだ。せめてもの救いは仕事で三浦半島と東京を行き来する時期でなかったことくらいか。 故障した車は年明けに工場で...
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「2021年の小春日和」
コメ0 草の根広告社 35ヶ月前
小さな子どもが波打ち際を裸足で駆け回っている。十二月も半ばの小春日和。冷たい海風が吹き荒れる厳しい寒波と穏やかな陽射しが降り注ぐ日が交互に訪れるのが三浦半島の冬だ。時化と凪が交互に訪れるのが三浦半島の冬の海だ。
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「だらだらと年だけを取っていく」
コメ0 草の根広告社 36ヶ月前
東京での予定が立て込んでいるとき、ビジネスホテルに泊まることがある。狭苦しいホテルの部屋にいると、ついテレビをつけてしまう。どうしてだろう。3センチしか開かない窓越しの風景のせいだろうか。無機質なビル群と渋滞の列。コートの襟を立てマスクをつけて足取りを急ぐ息苦しそうな師走の人々。密閉性が高く音は...
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「邂逅という名のタイムトラベル」
コメ0 草の根広告社 36ヶ月前
時間というのは過去から未来へ、一方向に向かって流れていく。目に見えないその流れを捉えようと、人間は暦と時計を発明した。可視化することはできた。果たしてその流れを遡って過去に戻ることはできるのか。あるいは流れよりも早いスピードで未来へ行くことはできるのか。タイムトラベルという概念。それは実現でき...
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「15分だけの海で」
コメ0 草の根広告社 36ヶ月前
半島を出られなかった日々が嘘のようだ。ほぼ毎日東京に遠出している。まだ公共交通機関は使わない車移動だが、以前のような日々が戻って来たようでもある。そのことがうれしくもあり、あの凪のような日々が恋しくもある。ここ数日は時化続きだけれど、毎朝バックミラーの向こうに遠ざかっていく潮の匂いが恋しくなる。
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「いまここでできること、いまここでしかできないこと」
コメ0 草の根広告社 37ヶ月前
三浦半島から出られなくなって1年8ヶ月が経つ。厳密に言うと出ていないわけではないし、出ようと思えば出られるわけだけれど、出なくなった。
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「コンプレックスは受け入れると個性になる」
コメ2 草の根広告社 37ヶ月前
隠すよりも曝け出した方がラクなのかしれない。たとえば膨大な蔵書はクローゼットに仕舞い込むのではなく、背表紙が見えるように並べれば持ち主の個性を雄弁に語るインテリアになるように。隠すのではなく、曝け出して生かすこと。生まれて初めてパーマは、僕にそんなことを教えてくれた。
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「素晴らしく快適な眠りについて」
コメ0 草の根広告社 37ヶ月前
人生の3分の1は眠っているそうだ。ならば心地良い方がいいに決まっている。毎晩眠っている娘を見ているといつも思う。4歳児と張り合ってどうするんですか、というかかりつけ医は言った。1年ほど前。健診で気になることはないかと聞かれたときだ。娘のような無臭のバナナ便を出すにはどうすればいいかを質問したら、苦...
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「〈なければならないこと〉を〈たいこと〉に変える方法」
コメ0 草の根広告社 38ヶ月前
数年前の話だ。ネット通販で、コピーロボットを購入した。藤子不二雄の『パーマン』を読んだことがある人は知っているだろう。主人公がパーマンに変身して出動する際に、身代わりとして置いていく〈もうひとりの自分〉だ。
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「季節のうつろいがしんどくなってく」
コメ0 草の根広告社 38ヶ月前
老後はハワイに住みたい。若い頃は理解できなかったその欲求に今は共感しかない。海が美しいとか、空が広いとか、自然が豊かであるなどという理由ではない。
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「八月の雨とビートルズ」
コメ0 草の根広告社 39ヶ月前
2021年8月8日日曜 雨 なんだか見ていられなくなって、テレビを消した。静かになった部屋に雨と時化の波音だけが聞こえた。ビートルズの6th Al『Rubber Soul』をかける。窓の外は相変わらずだったけれど、ビートに揺れているうちに心だけは凪いでいった。
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「見えている世界がすべてじゃない」
コメ0 草の根広告社 40ヶ月前
2021年7月31日土曜 曇り時々晴れ 娘が心待ちにしていた夏休みの小旅行を延期した。4連休同様、浮き輪と水中眼鏡をつけた娘を連れて朝から海水浴。先日の台風で巻き上げられたせいで多少の濁りはあるものの、海は心地良く冷たい。凪の波間で何度も水平線と平行に泳ぐ練習をする。バタアシが少しずつ様になってきた。...
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「2021年7月3日」
コメ1 草の根広告社 41ヶ月前
まだ雨は降り続いていた。大雨警報、土砂災害警報とスマートフォンが一時間起きくらいに鳴り続けていた。午後から横浜や東京に出掛ける予定があったが、それどころじゃなくなるかもしれないという不穏さがあった。そのぐらいの雨だった。
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「2021年7月1日」
コメ0 草の根広告社 41ヶ月前
2021年の7月は冷たい雨とともに始まった。海と空の境界線がぼやけて見えない。モノクロ写真みたいな朝だった。人通りどころか車の走行音さえ消えた静けさの中に大雨警報と土砂災害警報だけが繰り返し響き渡っている。もしかすると停電になるかもしれない。
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「週休何日がフィットしますか?」
コメ0 草の根広告社 41ヶ月前
子どもと暮らすようになってから、つくづく自分には「週休一日」が染みついているのを思い知らされる。幼稚園から小中高とずっと週休一日だった。社会人になってからは自分で決めなければ休みなんてないのが当たり前のフリーランス。週休二日に移行していく社会と逆行するような週休0日生活。土日や年末が公演日になる...
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「何もかもがどうでもよくなってしまうくらい」
コメ0 草の根広告社 41ヶ月前
夜も八時を過ぎると海辺の町は闇と静けさに包まれる。イカ釣り漁の季節でもないので漁り火も見えない。遠くで江ノ島の灯台がぼんやりと灯っているだけだ。 いつかどこかで見た、似たような光景が脳裏を掠める。「ここではないどこかへ―――。」 自分探しのキャッチコピーみたいな茫漠とした焦燥感に駆られ、旅をしてい...
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「ノスタルジック・オートバイ」
コメ0 草の根広告社 43ヶ月前
風薫る新緑の季節になると熱いエンジンの鼓動に懐かしさを憶える。郷愁とでも言うのか。渇いた風を切ってただ前に進んでいく刹那。過ぎてゆくものを振り返ることのできない潔さ。身体の奥に微かに残っているあの感覚が本物だったのかどうか確かめてみたくなる。
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「なにもしない日曜日」
コメ0 草の根広告社 43ヶ月前
できないことが多過ぎるせいだろうか。家にいるとついできることを探してやってしまっている。おかげで休みがない。正確には、休みがあっても休めていない。 そういうときは海へ行く。マスクを外して深呼吸する。縮こまった身体をめいっぱい伸ばす。大きな欠伸がでた。浜辺に腰掛けると砂の粒子に残った太陽のぬくも...
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「変わることを選んだ人へ、そして変わらないことを選んだ人へ」
コメ0 草の根広告社 44ヶ月前
自分の人生がある場所は、人それぞれであるべきだ。かくいう僕は両親が住んでいるという理由だけで、好きになれなかった街で十八歳まで不自由な思いをし続けたせいか、余計に人生がある場所を自分本位で選びたいという想いが強いのかもしれない。