半島を出られなかった日々が嘘のようだ。ほぼ毎日東京に遠出している。まだ公共交通機関は使わない車移動だが、以前のような日々が戻って来たようでもある。そのことがうれしくもあり、あの凪のような日々が恋しくもある。ここ数日は時化続きだけれど、毎朝バックミラーの向こうに遠ざかっていく潮の匂いが恋しくなる。