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■越智幸弘の視点/ボツ原稿の公開
2014-11-30 15:101
※本来、8月16日に行われたイベント「だれかのタイムカプセルを掘り起こそう!」中に小冊子の形でみつかる予定でしたが、もろもろの都合でボツにしていました。
「謝れよ」
と僕は言った。
本当はあれこれと口出しをするつもりなんてなかった。知ったことじゃない。僕には関係ない。そう思っていたけれど、美優も隆もあまりに不用心で、みていられなかった。
「美優が悪くないことはわかってるよ。でも、さっさと謝って、みんな終わりにしちまえよ。今の人間関係なんて小学校のあいだだけだ。もう何年か先には、景浦のことなんてどうでもよくなってるよ」
美優は正義感が強い。だから多少の反発はあるだろうと思っていた。
でも彼女は固い表情のまま、頷いただけだった。ずいぶん参っていたのだろう。
それで、少しだけ悲しくなった。
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美優が景浦に降伏したことで、クラスにはとりあえずの平穏が訪れた。
かつ -
■白石隆の視点/ボツ原稿の公開
2014-11-30 15:05
※本来、8月16日に行われたイベント「だれかのタイムカプセルを掘り起こそう!」中に小冊子の形でみつかる予定でしたが、もろもろの都合でボツにしていました。
オレと、美優と、それから幸弘ってやつは、幼稚園に入る前からの友達だ。ちょっと前までは3人で、よく幸弘の山で遊んだ。幸弘の山ってのは、幸弘の父さんが持っている山のことだ。あそこで一緒にバーベキューもしたし、段ボールを持ち込んで秘密基地を作ったり、虫取りをしたり、いろんな楽しいことがあった。だけど最近は、なんだか一緒に遊ぶことも少なくなっていた。
「好みが違ってきたんだよ。仕方がない」
と幸弘は言った。
そんなものだろうか。よくわからない。オレはいまでもあいつらとサッカーをしたり、ゲームで対戦したりしていたかった。ただ他にも一緒に遊びたい奴らがいて、ちょっと時間がなかっただけだ。
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よく注意力がないと叱られるオレで -
■山本美優の視点/ボツ原稿の公開
2014-11-30 15:00
※本来、8月16日に行われたイベント「だれかのタイムカプセルを掘り起こそう!」中に小冊子の形でみつかる予定でしたが、もろもろの都合でボツにしていました。
結局、私は景浦愛花よりもずっと弱かったのだ。
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小学生のころ、景浦愛花はクラス内で絶対的な権力を握っていた。
景浦は綺麗で、成績がよくて、高価なブランド品やアクセサリーの類もたくさん持っていた。そして大人びた知識をひけらかすのが好きな子だった。
彼女はこののどかな松山の片隅を、自分の居場所だとは思っていないようだった。今すぐにでも飛行機に飛び乗って、大都会に移り住みたいと考えていた。そして現状を受け入れている私たちクラスメイト全員を、あからさまに見下していた。
私は景浦愛花が苦手だった。彼女がひたむきな努力家だということはすぐにわかったけれど、それでも相容れないものはどうしようもなかった。
だから私は、でき
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