• このエントリーをはてなブックマークに追加
科学イノベーション挑戦講座第7回「第2回科学の知識・技術を競う」を実施しました
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

科学イノベーション挑戦講座第7回「第2回科学の知識・技術を競う」を実施しました

2016-09-16 07:00

    2016911()8301230に愛媛大学教育学部で,科学イノベーション挑戦講座第7回を実施しました。626日に実施された科学の知識・技術を競うの第2回です。生徒・児童15名が科学的思考力試験,工作発表試験,前期のまとめに挑戦しました。

    (1)科学的思考力試験は,第1回と同様に一般的なテストとちがい,クイズのような知識量は問うていません。実際の研究において,得られた結果をどう考えるべきなのか,研究の方針はどうやって決めるべきなのかという科学者として必要とされる思考力を問います。

     実施された問題の一部をご紹介します。

    5c931ec0e090b9f8bea7634c27eda327daa39cff 
    図1 思考力試験の一部

    太郎くんと花子さん,ふたりの意見はちがっています。では,あなたはどう考えるでしょうか。そして,あなたの考えを証明するために,どのような実験をするでしょうか。これこそが科学研究です。どこかに書いてあることが重要なわけではありません。だれかが言ったことが重要なわけではありません。実験的に証明される事実だけが,科学としての価値を証明するのです。

    科学者から見ると,理科(科学)についてまちがった考え方をしている人をときどき見ます。理科のテストの成績が良いことは科学の才能ではありません。そして,インターネットや書籍での「調べ学習」は,手を動かした,あなただけのデータがありません。つまり,調べ学習は科学ではありません。科学とは実験や観察の学問です。手を動かし,データを得ることに価値があります。実験をして,得られた事実こそが科学的に価値のあるものです。太郎さんと花子さんのように,自分自身で実験をしたデータにしたがって考えなければならないのです。

     紙に書いてあることは,あくまでも理論にすぎません。理論を学ぶことは重要ですが,理論を学ぶのは,あなたが実験や観察で得たデータを説明するためです。科学者はクイズをしているわけではありません。私たちは自然がどのような法則にしたがっているのかを知りたいのです。ですから,理論そのものに価値があるわけではありません。思考力試験は,そのちがいについて考える試験です。

    (2)工作発表試験は,前期を通して4チームに分かれて行ってきた,水ロケットの設計の成果を発表しました。

    eee3f1da7c61a8637127d4a95687763c73fa3b2c
    図2 設計したロケットについて各チームが自分たちの工夫を解説をしました

     水ロケットは,科学理論と科学技術の粋です。物理学の運動,化学の素材などのさまざまな理論を考え,そしてそれを組み合わせる技術的な課題をクリアしなければなりません。キットを説明書どおりに組み立てるだけなら誰でもできますが,それを自分自身で考えるためには,科学理論を良く理解した上で,それを現実に応用できる力が必要です。そうです。思考力試験で問われた能力を,実際に自分自身で証明するのが工作発表試験なのです。

     4チームは,それぞれこれまでの打ち上げ試験で工夫した結果にもとづいてロケットを製作しました。

    668822b5c09144b62e8fd43100b00f38cfb65c5e
    図3 小学生チームのきれいなロケットは白い旗のところまで飛びました

    8eb5404da1707a1dd9b2cfc93c7c48e691936414
    図4 中学生チーム1のロケットは大改良を受けて飛距離をのばしました

    c12b3d010c99617e6f525bfaa0a0a4edcaa7c83d
    図5 中学生チーム2はバランスを再調整して60 m飛びました

    0df0f4266df90e2b3e49e0d50b63a6a80abc35df
    図6 中高生チームは唯一500 mLのペットボトルを使いました

    くわしくは,打ち上げの動画やこれまでのブログで解説しています。

     

     打ち上げの結果,4チーム中3チームが記録を更新することができました。しかし,2回の打ち上げで,これまでの記録を更新し,かつおなじ飛距離を得たチームはありませんでした。科学では再現性,つまり何度でもおなじことができることが重要です。今回の結果は,科学的にはまだまだ課題がありますね。たとえば,本物のロケットの打ち上げで,成功率が99%だったとしましょう。この数値は高いでしょうか?とんでもない!こんな低い成功率では困ります。なぜなら100回に1回は失敗するからです。ロケットを1基作るのにかかる費用を考えたら,そんなにかんたんに失敗してもらっては困ります。つまり工学的に考えれば,何度でも同じ結果が出せるようになって初めて成功と言えるのです。その上で,より遠くに飛ぶという課題をクリアする必要があるのです。

     考えちがいをされやすいのですが,科学はクイズではありません。あっているか,まちがっているかが重要ではないのです。科学とは,地道な努力の上に成り立っています。1回だけのすばらしい結果には意味はありません。誰にでも,何度でも,おなじ結果を出すことができるようにするためには,どうすればよいのでしょうか?

     (3)前期のまとめは,前期6回を通して学んできたことを,このプログラムで重要だと考えている4つの考え方でふり返るものです。このプログラムでは,科学の才能を4つに分けて考えています。

    ・新しい疑問を考えたり,新しいことに挑戦した

    ・ねばり強く実験にとり組み,いろいろな方法でものごとを考えた

    ・やること,かんがえることをわかりやすく説明した

    ・みんなの意見をまとめて,なにをするのかを考えた

     それぞれについて,どの講座の,どのような場面で,一番がんばったのかをふり返り,自分の成長を確認しました。

    第7回で前期の実施が終了しました。10月より,後期を開始します。子どもたちの今後にご期待ください。

    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。