厚生労働省は6日の検討会で、コンビニやスーパー、宅配サービスなどの弁当や総菜を対象に導入する「健康な食事」の基準と認証マークを決めました。政府が、添加物や防腐剤などを使った弁当や総菜を「健康」だといってお墨付きを与え、特定企業・業界の金もうけを後押しするものです。
検討会メンバーにはローソン、シダックスなど弁当・宅配給食を手がける企業の代表が参加しています。
「健康な食事」の認証は、1食あたりのエネルギーや栄養素、塩分量の基準を満たしたものに許可されます。主食、主菜、副菜の一品ごとの認証も行い、消費者が組み合わせて食べられるようにしていくとしています。
しかし、基準を満たしているかどうかは、企業の自己申告となっており、成分分析ではなく食品成分表からの計算値で構いません。厚労省や第三者機関による検証もなく、信頼性がまったく保障されない仕組みです。
1食あたりの基準について、主食は炭水化物が40~70グラム、魚や肉などの主菜は、たんぱく質が10~17グラム、野菜などの副菜は100~200グラム。1食のエネルギー量は650キロカロリー未満、食塩は3グラム未満などと定めています。
これらは必要最低基準でしかなく、健康に影響する添加物や防腐剤などについては何の基準も定めていません。
検討会では、糖尿病患者向けの宅配食や高齢者向けの食事などについての基準づくりも打ち出しました。老人ホームで出される食事が、コンビニ弁当などに取って代わることになりかねません。
「健康な食事」の基準策定は、安倍政権の「成長戦略」で打ち出されました。健康維持・疾病予防を口実に、コンビニなどを「健康寿命延伸産業」などという名前まで付けて後押しすることを盛り込みました。
検討会委員であるローソンの役員は「消費者にとって一目で分かる認証マークの導入は非常に追い風」とのべ、金もうけにつながるとあけすけに語っています。