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安倍内閣は13日、派遣労働者の受け入れ可能期間を事実上撤廃することを柱とする労働者派遣法改悪案を閣議決定し、国会へ提出しました。過去2回も廃案になった法案を一部修正しただけで、今国会での成立をねらっています。
現在、派遣の受け入れ期間(期間制限)は、通訳など専門業務を除いて原則1年、延長しても3年が上限です。改悪案では、3年で働く人を入れ替えるか、部署を変えれば、何年でも受け入れることができるようにしています。
延長する手続きも労働組合などから意見を聞くだけでよく、反対されても従う義務はまったくありません。
改悪案には、「派遣就業は臨時的かつ一時的なものであるとの考え方を考慮する」との文言が加えられました。しかし、何年でも受け入れ期間を延長できる仕組みは変わっておらず、「正社員ゼロ」を進める内容です。また「雇用慣行が損なわれるおそれがあるときは速やかに検討する」との文言を加えており、正社員の派遣労働者への置き換えが進む危険性を自ら認める内容になっています。
派遣労働者の正社員化については、派遣先企業に直接雇用を依頼するだけです。欧州などで当たり前の正社員との「均等待遇」ではなく、格差を認める「均衡待遇」となっています。
戦後、自分の会社の労働者を他人の指揮下で働かせる「人貸し業」は、強制労働や賃金のピンハネを招くとして労働基準法や職業安定法で禁止されました。
そのため労働者派遣法でも、臨時的・一時的業務に限り、常用雇用の代替―正社員を派遣社員に置き換えてはならないことを原則とし、その担保として派遣の受け入れ可能期間は、「原則1年、最長3年」とされたのです。
ところが、改悪案では、人を入れ替えるなどするだけで何年でも受け入れることが可能になります。日本共産党の志位和夫委員長が2月20日の衆院予算委員会で、「正社員を減らして派遣労働者に置き換える常用代替を防ぐ担保があるのか」とただしたのに対し、安倍晋三首相も塩崎恭久厚労相も、何一つ担保を示すことができませんでした。派遣法改悪の論拠は完全に崩れているのです。
これまで大企業は期間制限があっても、さまざまな手口で規制をかいくぐり、派遣労働者を使い続けてきました。期間制限もなくなってしまえば、派遣社員への置き換えが大規模に進むことは、火を見るより明らかです。
こうした批判に対して安倍首相は「派遣社員の待遇改善、正社員化を進めるものだ」と言い訳しています。
しかし改悪案では、正社員との格差を認める「均衡待遇」、「派遣先への直接雇用の依頼」にとどまっています。現行法にある「労働契約申し込み義務」の廃止など、直接雇用の道を閉ざそうとしているのが実態です。
改悪案では、「雇用慣行が損なわれるおそれがあるときは速やかに検討する」との文言が加えられました。「常用代替」の危険性を認めたに等しいものです。与党が認める「欠陥法案」は、撤回・廃案にする以外にありません。 (深山直人)
志位氏は、改悪案は「原則1年、最大3年」という期間制限を取り払い、常用代替を防止する担保がないことが衆院予算委員会での自身の論戦で明らかになったと指摘。「正社員から派遣への大規模な置き換えに対して、歯止めとなるものは何一つない。本質的に成り立たない欠陥法だ。2回廃案に追い込んでいるが、3度目の廃案も必ず勝ち取るためにがんばりたい」と語りました。
現在、派遣の受け入れ期間(期間制限)は、通訳など専門業務を除いて原則1年、延長しても3年が上限です。改悪案では、3年で働く人を入れ替えるか、部署を変えれば、何年でも受け入れることができるようにしています。
延長する手続きも労働組合などから意見を聞くだけでよく、反対されても従う義務はまったくありません。
改悪案には、「派遣就業は臨時的かつ一時的なものであるとの考え方を考慮する」との文言が加えられました。しかし、何年でも受け入れ期間を延長できる仕組みは変わっておらず、「正社員ゼロ」を進める内容です。また「雇用慣行が損なわれるおそれがあるときは速やかに検討する」との文言を加えており、正社員の派遣労働者への置き換えが進む危険性を自ら認める内容になっています。
派遣労働者の正社員化については、派遣先企業に直接雇用を依頼するだけです。欧州などで当たり前の正社員との「均等待遇」ではなく、格差を認める「均衡待遇」となっています。
原則投げ捨てる派遣法大改悪
安倍内閣が閣議決定した労働者派遣法改悪案は、派遣労働は「臨時的・一時的業務に限る」という政府自身が国会答弁でも認めてきた大原則を投げ捨てる大改悪です。戦後、自分の会社の労働者を他人の指揮下で働かせる「人貸し業」は、強制労働や賃金のピンハネを招くとして労働基準法や職業安定法で禁止されました。
そのため労働者派遣法でも、臨時的・一時的業務に限り、常用雇用の代替―正社員を派遣社員に置き換えてはならないことを原則とし、その担保として派遣の受け入れ可能期間は、「原則1年、最長3年」とされたのです。
ところが、改悪案では、人を入れ替えるなどするだけで何年でも受け入れることが可能になります。日本共産党の志位和夫委員長が2月20日の衆院予算委員会で、「正社員を減らして派遣労働者に置き換える常用代替を防ぐ担保があるのか」とただしたのに対し、安倍晋三首相も塩崎恭久厚労相も、何一つ担保を示すことができませんでした。派遣法改悪の論拠は完全に崩れているのです。
これまで大企業は期間制限があっても、さまざまな手口で規制をかいくぐり、派遣労働者を使い続けてきました。期間制限もなくなってしまえば、派遣社員への置き換えが大規模に進むことは、火を見るより明らかです。
こうした批判に対して安倍首相は「派遣社員の待遇改善、正社員化を進めるものだ」と言い訳しています。
しかし改悪案では、正社員との格差を認める「均衡待遇」、「派遣先への直接雇用の依頼」にとどまっています。現行法にある「労働契約申し込み義務」の廃止など、直接雇用の道を閉ざそうとしているのが実態です。
改悪案では、「雇用慣行が損なわれるおそれがあるときは速やかに検討する」との文言が加えられました。「常用代替」の危険性を認めたに等しいものです。与党が認める「欠陥法案」は、撤回・廃案にする以外にありません。 (深山直人)
派遣法改悪 すでに欠陥法案は明白
志位委員長が表明 廃案に力尽くす
日本共産党の志位和夫委員長は13日、国会内の記者会見で、安倍内閣が同日、労働者派遣法改悪案を閣議決定し国会に提出したことについて問われ、「改悪案が本質的に成り立たない欠陥法案だということはすでに明白であり、廃案のために力をつくす」と述べました。志位氏は、改悪案は「原則1年、最大3年」という期間制限を取り払い、常用代替を防止する担保がないことが衆院予算委員会での自身の論戦で明らかになったと指摘。「正社員から派遣への大規模な置き換えに対して、歯止めとなるものは何一つない。本質的に成り立たない欠陥法だ。2回廃案に追い込んでいるが、3度目の廃案も必ず勝ち取るためにがんばりたい」と語りました。