戦後最長となる国会会期延長の強行後、初めてとなる28日のNHK「日曜討論」に与野党の幹事長など幹部が出席し、最大焦点の戦争法案について議論しました。日本共産党の山下芳生書記局長は、安倍晋三首相に近い自民党議員による会合の中で法案への理解が広がらない現状に対し言論弾圧を求める暴論が相次いだ問題を受け、「こういう勢力に戦争法案を扱う資格はない」と断じ、首相自らが党総裁として謝罪すべきだと求めました。 

 自民党の谷垣禎一幹事長は冒頭、暴言問題について「自民党に対する誤解を与えた、誠にけしからん事件だ」と述べ、山下氏の指摘を受け「大変申し訳ないという気持ちを踏まえ、(関連議員を)処分した」と同党として初めて謝罪の意を示しました。

 山下氏は、自民党会合での発言に対し、「言論の自由への挑戦であり、沖縄県民に対する侮辱だ」と糾弾し、首相自らが謝罪するよう重ねて要求。谷垣氏は「党は私が預かっている」と述べ、首相の謝罪は不要との考えをにじませました。

 各党幹部からも「政治家としての基本的認識が間違っている」(公明)、「コメントするのも嫌なくらい、恥ずかしい話だ」(民主)、「軽率かつ重大だ」(維新)、「猛省を促したい」(次世代)、「おごり・高ぶりどころの騒ぎではない問題」(社民)と、与野党超えて自民党に批判が集中しました。

 国会審議で憲法学者や元内閣法制局長官から「違憲」との指摘が相次いだことを受け、憲法解釈変更についても議論になりました。

 山下氏は、安倍政権が集団的自衛権容認の唯一の理由としてあげている「安全保障環境の根本的変容」について、国会審議で政府が一つも具体例を示せなかったことをあげ、「立法事実そのものがない」と指摘。審議するほど法案の違憲性が明らかになり、反対世論も広がっていることにふれ、「法案は撤回・廃案するしかない」と強調しました。

 谷垣氏は「どうしてもこの国会で仕上げたい」と成立に固執する姿勢を示し、公明党の井上義久幹事長も「きわめて重要な法案だ」と理解を示しました。