米国防総省報告
米国防総省がこのほど公表した「2015会計年度・基地構造報告」によれば、米軍の海外基地の中で、米空軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)が資産価値で1位になりました。米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)がこれに次ぎます。また、在日米軍基地が上位10位のうち6基地を占めています。これらは米政府が絶対に手放したくない「海外資産」であり、日本が世界でも異常な「米軍基地国家」であることをあらためて示しています。(表)同報告書は会計年度ごとに米議会に提出されており、15年度版は14年9月末現在の数値をまとめています。資産評価額は基地内の施設件数や床面積、インフラなどで算定しており、地価は含まれていません。日本は毎年「思いやり予算」で基地内の施設を新設・改修しているため、必然的に評価額が上がることになります。
また、在日米軍基地の資産評価総額は618億7300万ドル(7兆4248億円、1ドル=120円)で、在外米軍基地の総資産額のうち、約4割を占めています。基地の件数・面積で上回るドイツの405億2140万ドル(4兆8626億円)を大きく上回っています。数年前までは、資産価値でもドイツが上回っていました。
報告書によれば、海外基地の件数は513で前年度比63件のマイナスです。1990年代以降では、ほぼ半減しています。
米国が第2次世界大戦から今日にいたる70数年にわたって、他の主権国家にこれだけの数の基地を維持しているのは、人類史上でも特異な状況です。
各国の主権意識の高まりや戦略環境の変化に伴い、在外基地の縮小傾向は今後も続くと見られます。それでも日本でほとんど変化がないのは、「抑止力」の名の下、米軍駐留に固執する日本政府の責任が重大です。在日米軍再編計画の下、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設など、総額3兆円とも言われる、最新鋭の基地建設が、日本国民の税金で進められています。