先週は連載「四代目アニメの門」を更新しました。第12回は『アイカツ!』『THE IDOLM@STER』『Wake Up, Girls!』『ラブライブ!』といったアイドルアニメを扱いました。
朝日「茶話」で『アイカツ!』を取り上げ、その後依頼あって『THE IDOLM@STER』『Wake Up, Girls!』で一文書く機会をもらったりしたので(この2つが世に出るのはもうちょっと先です)、総論となることを意識して書いた原稿です。
掲載後に、某まとめサイトに全文転載されてしまい(bonetから警告のメールを送ってもらったら要約に変更)、大変不愉快な出来事もありました。
まとめサイトは、アフィリエイト収入と広告料のために、出所もあまり明らかでない恣意的な編集をしたネット情報を拡散させるサイトです。今回のように著作権的にブラックなことも平然と行い、かつ修正について、なんの言明もしません。小遣い稼ぎのために、無責任な情報を拡散するという点で、非常に問題がありますので、このメルマガの読者の方には、安易にまとめサイトのツイートなどURLしないようお願いします。
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1.最近のお仕事紹介
2.先週の「アニメの門チャンネル」
3.不定期アニメ日記『ピンポン COMPLETE BOX』
4.お蔵出し原稿『よつばと!』レビュー
5.Q&A 6.次回予告
最近のお仕事紹介
1.朝カル講座「アニメを読む」(東京)
朝日カルチャーセンター新宿教室で行っている講座「アニメを読む」7月からは以下の通りです。また8月は第二土曜日に移動して、脚本家・じんのひろあきさんを招いて、脚本談義を行う予定です。
7月19日 押井守初期実写作品
8月9日 アニメを読む シナリオパルプンテ出張編
『櫻の園』『シャニダールの花』の脚本家・じんのひろあきさんが、映画美学校で行っている脚本に関する特別講座「シナリオパルプンテ」の出張編です。複数の作品を取り上げ脚本家の視線で分析します。
9月20日 『未来少年コナン』
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=249179&userflg=0
2.東急セミナーBE「レビュー講座」
東急セミナーBEたまプラーザ校で開いている「レビュー講座」。アニメについてのレビューを書くことで、文章術と鑑賞眼を磨きます。添削は、匿名状態で行いますので、決して怖かったり恥ずかしかったりすることはないです。
7月19日 講義「レビューとは何か」
8月9日 お題『青の祓魔師 ―劇場版―』
9月13日 お第『パプリカ』
http://www.tokyu-be.jp/seminar/2014070004EJ01001.html
参加者の感想:http://d.hatena.ne.jp/mattune/20140320/1395322099
3.7月27日、SBS学苑パルシェ校『アニメを読む』
『ほしのこえ』から最新作『言の葉の庭』まで、美しい風景と抒情的なストーリーで広いファンを持つ新海誠監督。デビューした背景から各作品の見どころ、共通するテーマなどについて考えます。
http://www.sbsgakuen.com/gak0130.asp?gakuno=2&kikanno=160952
4.7月13日、よみうりカルチャー自由が丘で『アニメを語る』
お題は『耳をすませば』です。柊あおいの原作はいかにアレンジされ、どのようなアニメ映画として出来上がったか。原作の視点、脚本などを手掛けた宮崎駿の視点、近藤監督の視点を考えつつ読み解きます。
http://www.ync.ne.jp/jiyugaoka/kouza/201407-18010008.htm
※よみうりカルチャー自由が丘の講座は不定期開催ですので、この後の開催は未定です。
5.最近担当したパッケージ
『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』(サントラCD付き Blu-ray限定版)
平尾監督1万字インタビューを担当しました。
『ピンポン COMPLETE BOX』
ブックレット2冊(総計286ページ分)の構成・執筆を担当しました。松本大洋・湯浅政明対談、湯浅監督全話コメントなど情報量多いです。
『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』
ブックレットのドラマ部分、取材関係を担当しました。
『劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-』
通常版共通の24ページブックレット、初回版用60ページブックレットを担当しています。
先週の「アニメの門チャンネル」
4日の「アニメの門チャンネル」は小原篤記者@アニマゲ丼をゲストに招いて、TV放送中の『もののけ姫』実況に挑戦してみました。終わりまで3時間の長丁場でしたが、ネタ切れになる直前でなんとか乗り切れたんじゃないかと思います。
小原記者が指摘していたのは「対立する二勢力のところに、第三勢力をぶつけて、二項対立を無効化する」という宮崎監督の語り口のパターン。これラストの、デイダラボッチの暴走だけでなく、いろんなところで繰り返されていたりして興味深いなぁと。
あと、タタラ場の(画面に映る)年齢構成がわりと偏っている(女性は労働の中心になる若めの人ばかりで中年以上が少ない)という指摘もおもしろかったです。
僕のほうは、朝日カルチャーセンターの講座で触れた、三幕構成での構成を確認しつつ、『もののけ姫』が、84年の『ナウシカ』あるいは91年の『おもひでぽろぽろ』を経る中で、宮崎監督が「作らねば」と思っていた“重たい”作品である、というようなことを折に触れて話しました。この重たい荷物を下ろして、次に作ったのが『千と千尋』でこちらが伸び伸びとした作品になったのも当然かなと思うのです。
このあたりは詳しく知りたい方は、どこかで『もののけ姫』の講座を再演する機会を作っていただければ、よろこんで解説します(笑)。
最後の有料ゾーンでは、小原記者の『思い出のマーニー』の寸止めトークなどもあり、配信は終わったのでした。3時間は長かったけれど、実況というのは、なかなかおもしろかったので、機会があればまたチャレンジしてみたいです。
※ただ金曜ロードショーだと基本、ジブリ作品メインになっちゃいますけどね。
不定期アニメ日記
今回は『ピンポン COMPLETE BOX』のお話でも。
このBOXのブックレットは、2冊あります。一つは湯浅さんの仕事にフォーカスした「クリエイティブノート」。もう一冊は各スタッフの仕事にフォーカスした「メイキングブック」。
最初は「クリエイティブノート」は120ページの予定だったんですが、内容が詰め込みすぎということで、16ページプラスして、136ページに土壇場で増えました。
こちらは湯浅監督のイメージボードから始まり、放送開始前の松本大洋さんと湯浅監督の対談、シリーズ構成メモ&絵コンテ、湯浅さんの作画修正&ラフ原画、全話コメント、総まとめのロングインタビューといった内容です。最後のロングインタビューを締めくくる湯浅監督の一言は「僕だけの松本さんでいてほしいけど(笑)」ですよ!
限られたスーペースの中、第11話のラケットを海になげるスマイルの、ラフ原画は全部収録しました。(併せて伊東さんがそれを清書した修正原画も)。
メイキングブックは、ストレートに各スタッフ&キャストへの取材と素材で出来上がっていますが(それで150ページ)、大平さんにインタビューをうかがいつつ、OPの原画もセレクトして掲載してたりします。