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木野龍逸の「ニッポン・リークス」
                   2020/3/2(No.69)
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【No.68】トリチウム汚染水はどこへ行く~エネ庁は放出する気満々
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<2022年の放出が現実味を帯びてきた>

資源エネルギー庁の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」、通称ALPS小委員会は2020年1月31日に最後の会合を行い、委員会としての提言のとりまとめを行った。この時に公表されたとりまとめの案は、その後、各委員とエネ庁の事務局の間でメールで意見交換を行った後、2月10日に最終の報告書として公表された。

報告書に記された言葉は、細かく見ていくと委員会で安易な放出に反対する委員の指摘が盛り込まれたものになっている。けれども東電が2022年夏に貯蔵タンクが満杯になるという主張をしている部分はそのまま残り、政府がこの時期を期限に海洋放出を考えていることを伺わせるものになっている。

多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/018_00_01.pdf

1月末の会合時のとりまとめ案は、昨年末に委員会に配布されたものから若干の文言の修正はあったものの、長期貯蔵を排除した方針や、海洋放出を「現実的」な手段としている点については変わりがない。

昨年末のとりまとめ案
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/pdf/017_00_05.pdf

一方、そこから報告書への変更も、大枠の趣旨に変化はない。ただ、細かい部分では、前述したように会合での委員からの指摘を反映する形で、文言の変更があった。この文言の修正は、委員会での議論を踏まえて考えると重要な意味を持つ。

今後、政府が方針を決定するまでの議論の中でどう取り上げられるのかは不透明だ。報告書を一読すれば、今の時期の放出に正当性が薄いことや経済への影響が極めて大きいことは明らかなのだけど、政府はそんなことはおかまいなしに放出を目論んでいるように見える。