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木野龍逸の「ニッポン・リークス」
                   2019/1/2(No.68)
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【No.68】トリチウム汚染水はどこへ行く?~エネ庁は放出する気満々?
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<2022年の放出が現実味を帯びてきた>

2019年、年末も押し迫った12月23日に、都内の貸し会議室で「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」第15回会合が開かれた。この会議ではエネ庁の事務局(電力・ガス事業部 原子力発電所事故収束対応室 司会は奥田修司廃炉・汚染水対策官)から「とりまとめ(案)」が示されて、委員からさまざまな意見が出た。

ではこれで議論が終わりかというと、もしこれでお終いにしたらエネ庁の恣意的な議論の解釈で勝手なとりまとめを作ったと批判できるのは間違いないような内容なので、まだ議論は続きそうだ。

けれども、東電は2022年夏に汚染水のタンクが満杯になるという予測を示していて、タンク増設には難色を示し、増設のための計画も公表していないので、このままだと基本的には2022年夏をめどに高濃度放射能汚染水が由来のALPS処理水が海洋放出されるのは、ほぼ間違いないように見える。というか、それ以外に手がなくなる可能性が高い。