国債の利払い費、長期金利を２５年度の年２・０％から「年３％程度」想定で最終調整、アベノミクスに伴う緩和下では、利払い負担の前提を１、２％程度とするケースが多、負担に歯止めがかからなければ、積極財政を掲げる高市早苗政権が思惑通りに政策を進められるか危うくなる。

かつてイギリスのリズ・トラス（Liz Truss）は、就任後わずか45日で辞任したが。辞任の主な理由は、就任直後に発表した大規模な減税政策が金融市場を大混乱に陥れたことだった。

トラス政権は、経済成長を促すために大規模の減税策を資金源の明確化なしに推進した。しかし、財政悪化への懸念から、ポンドが急落し、英国債価格が暴落、金利が急騰。市場の反発を受け、減税策の多くを撤回せざるを得ず、政権の信頼は失墜。それで、辞任せざるを得なくなった。

高市政権は、減税と財政出動を掲げ、リズ・トラスに近い積極的な経済政策を掲げているから、第2のリズ・トラスか？という下馬評があった。

しかし、現在のところ、大した減税もなく、まして消費税には手を付けないかの発言をしている。補正予算では、積極財政を演出しているが、恒久的でない一時的財政出動という印象しかなければ、経済成長への刺激は限定的ではないか？

ともかく、高市政権の経済政策は看板倒れ感が強まってきた。

それはともかく、リズ・トラスが市場の信認を失った理由は、財政悪化懸念の高まりからのイギリス国債の暴落だった。一方、日本国債は国内消化がほとんどで外国人債権者は少ないから大丈夫だとか、日本は世界最大級の債権国で純資産保有国だから、大丈夫だということで、日本の財政破綻は一蹴する論者は多い。

私は短期〜中期的なスパンで見れば、日本財政の破綻懸念は高くはないという意見に賛同する。だから、減税や財政出動には賛成だ。

だが、日本は世界最大級の債権国だから、とか純資産国だから、財政破綻はあり得ないという考えには、懸念を持つ。

というのは、普通、債権だろうと、資産だろうと、流動性が高く、それこそいつでも”現金化“できるものでないと、価値は低いのでは？と考えるからだ。すぐに決済できる債権や、資産を多数保有しているなら、ビクトもしない大金持ちだろう。

だが、この点をGrokに聞いてみたら、「日本の対外純資産は多様な構成となっており、流動性の高い資産（例: 外国為替準備や短期債券）が一部を占める一方で、多くは流動性の低い（売却が難しく、即時現金化しにくい）資産が大半を占めています」とのことだった。

例えば、家計で考えたら分かりやすいだろう。資産総額3000万円の定年退職者がいたとしよう。この資産内訳は、預金300万、取引時価2700万円のマンションだとする。この例だと、マンションは確かに資産だが、簡単には売れない。そもそも売ったら住むところがないから。その上、住宅ローンの残債が100万あったらどうか？さらにマンションなら管理費、共益費、修繕積立金が毎月数万必要だろう。

で、この定年退職者の実質的な“資産”は？というハナシだ。

だから、私は日本は世界最大級の債権国とか、純資産国だから、いくら借金（国債発行）してもビクトもしないし、財政破綻はしない、という論は、長期的には、どうかな？そうじゃないんじゃない、と疑っている。

今回、「国債（国の借金）の利払い費を計算する際の長期金利の想定を年３％程度とする方向で最終調整に入った。」ということだが、利上げが続けば、利払い費用は膨らみ、国債価格の下落につながる。さらに、住宅ローン金利の上昇により庶民生活を直撃する。

円安と物価への対策として、日銀は利上げするのだろうが、それは経済活動には悪影響を与えるだろう。高市政権発足に際して、財政出動が喧伝されたわりには、チグハグでまとまりに欠ける経済政策のような印象である。

いずれにせよ、大胆な経済政策と、幅のない薄氷を踏むような経済政策を行ったり来たりするしかないのが日本の現状に見える。

財務省の記者会見時発表された資料をそのままマスコミは発表しているのでしょう。
マスコミは借金の方だけ見て大変だ大変だといっているのを見て何も言わない。
資産と一緒にバランスシートで見なければならないという鉄則を外している。
国民を馬鹿にしているが、若い人を中心にして、よく理解している人が多くなり騙されなくなっている。
借金　国債１１００兆円の半分は中央銀行（日銀）が保有している。
　　　統合政府でみれば半分の５５０兆円が利払いの対象となるが、残りは
　　　政府と日銀間（親子関係）で相殺されプラスマイナス０となる。
資産　米国債などで１．３４兆ドル（２１０兆円）の投資から運用益が出てくる。
　　　日米の金利差が５５０兆円の金利を埋めてしまう。
国際収支経常収支は、２４年３０兆円出ている。
経済が成長軌道にあれば税収も増えてくる。

投資をしなければGDPが増えない。税収も増えない。企業倒産が増えるし、失業者が増える。
何もしなければ、失われた年月をまた繰り返すだけです。高市政権の積極財政を利用して前向きに活動していく以外日本が再起する道はない。
官民一体の投資によって技術開発、製品開発し世界に売りまくることが不可欠でしょう。
日本は製品の心臓部の部品とか材料を抱えており、レアアースを止めれば部品が供給できなくなる。生産ロス金額が多くて困るのは中国でしょう。中国など恐れることはない。どんどん前向きに進むことです。

「法定通貨では、日本みたいに国債を海外に売ってない場合、財政赤字がハイパーインフレーションの因になることはない。但し、戦争するとその限りでない」とミネソタ大学のランドール・レイ教授は説いているのです。それを立証している国の一つが日本だと彼は言ってます。私もその通りだと思ってます。

ところが高市政権は中国との戦争を視野に入れてます。来年あたり中国との戦争が起こる可能性は極大になると私は恐れてます。何故なら、中国で尖閣問題を解決する好機と捉える向きが出てきても不思議はなく、一方、高市政権側では中国に対してトランプ政権の弱腰を糾すために軍事的に敢えて強く出ても不思議ではないのです。

>>2
高市氏の積極財政は防衛費増の隠れ蓑です。軍事関連の投資支出増は波及効果が限定的で且つ福祉関連の削減が伴いますから、国富は細ってきます。東条政権の二の舞になるのを私は恐れます。