ハックルベリーに会いに行く
東條英機がどうして東條英機になったのか?
そこにはいろんな要因がある。父である東條英教への愛とコンプレックス、山縣有朋への恨み、永田鉄山への複雑なブラザー愛、石原莞爾という宿敵、最愛の昭和天皇、そしてルーズベルトという災難。
それら各人との複雑な関係の中で、東條はやがて本当の自分ではいられなくなり、東條自身が作り上げた役割を演じていくこととなる。首相の東條英機は、本当の東條英機が作ったもう一人の自分ということができる。本当の東條英機は小心で投げやりで家族愛に溢れたひょうきん者だった。昭和のお父さんという感じだ。三木のり平のようなものだ。
首相(軍人)の東條英機は忠臣だった。どこまで行っても「忠」の字がつきまとった。父への忠、永田への忠、そして天皇への忠。この忠が強かったから、誰も東條に逆らえなかったともいえよう。
東條には表面的には私心がゼロだった。しかしよくよく見ると、忠を貫くこと