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・【23000字】誇りと夢が繋いだRIZIN10周年大晦日を語ろう■笹原圭一
――笹原さん、大変です! UFCがいろいろゴタゴタしてるので、海外のMMAファンの心の拠りどころがRIZINになってますよ。すごい時代になってきました(笑)。
――長州さんの名言「プロレス界には非常ベルが鳴っている」さながらに、北米の非常ベル野郎どもがいまのUFCの状況を憂いているところに、RIZINが注目を集めているんですよ!
笹原 UFCのプラットフォームがパラマウントに移ってから、ちょっと変わりつつあることもそうですけど、トランプ大統領との向き合い方も影響がありそうですよね。政治と絡むととてつもないパワーを手に入れられる反面、マイナスも大きい。イベントとしてドーピングするみたいな話ですからね。
――よくアーティストの作品と政治思想は分けて楽しむかどうか、みたいな議論がありますけど、やっぱり難しいですよね。ホワイトハウスで大会をやるUFCはどうしたって体制側のイベントに見えますから。
笹原 トランプが大統領選で当選してスピーチしたときには、その隣にはイーロン・マスクとダナ・ホワイトがいたわけですから。これってとんでもないことですよ。衆院選に圧勝した高市総理の隣に社長がいるみたいなことですからね(笑)
――高市総理が「なんか意地悪やなあ」と榊原さんに言うようなもんですか(笑)。
笹原 ハハハハハ。それにパラマウントというメディアは思想的にはトランプ寄り。Netflixがワーナー・ブラザーズを買収しようとしたら、パラマウントが横槍を入れましたけど、トランプ批判をするCNNは、ワーナー・ブラザーズ傘下。ワーナー・ブラザーズごと買収して封じ込めちゃおう、ってことですからね。
――政治の思惑も絡んだメディア買収劇。そこにUFCも関わってくるんですね。
笹原 いまの政権の手駒としての側面もUFCにはあるわけですから、純粋にMMAを楽しみたいファンからすると、ちょっと白けちゃう感じもありそうですよね。
笹原 トランプの後ろ盾を得て帝国をさらに巨大化させたいUFCと、票や金になると踏んでいるトランプの思惑が一致しているってことなんでしょうね。まぁ百歩譲ってそうであっても、そのことを隠しもせず、まったく悪びれもしない感じは、コアファンからすると「俺たちの格闘技」が穢されている感じがするでしょうし。
――格闘技って、もともとは「権威やルールに縛られない生の強さ」を追求する文化から生まれてきた部分もありますし。
笹原 ロンダの試合の件を取ってみても、面白いことよりも効率性とかお金のほうにフォーカスしている感じがしますよね、最近のUFCは。
――Netflixで行われるロンダ・ラウジーvsジーナ・カラーノですね。最初はUFCに持ち込まれたけど、ファイトマネーの基準を壊しかねないからスルーしたって聞いてますし。ホワイトハウス大会もロマン大爆発というマッチアップではないですし……。
笹原 むしろロンダの試合のほうがホワイトハウス感があるし、バカ負けするようなスケール感がありますよね。
――「ローコストでどれだけ儲けられるか」が最優先になってしまい、そのせいでロマンが感じられなくなっている。それで何もしてないRIZINの株が上がってるわけですね(笑)。
笹原 まぁRIZINなんて、どこを切ってもロマンしか出てこないようなイベントですからね(笑)。
――ロマンとズンドコは紙一重ですよ!(笑)。
笹原 じつは今年は「海外でRIZINのプレゼンスを高めよう!」というのが会社的には大きなミッションで、そのためにいろいろ動いてたんですよ。それが見事にハマった感じはありますね。
――たしかに秋元強真vsパッチー・ミックスの広がり方は、いままでになかったんですよ。RIZINって北米向けにいろんなボールを投げてきたじゃないですか。メイウェザーやライアン・ガルシア、ベラトールとか。でも、秋元vsパッチー・ミックスの話題性はいままで一番あるというか。
笹原 そこはいままでは格闘技専門メディアみたいなところを中心にアプローチしてたんですけど、SNSにもっと注力しようとSNS戦略を変えた影響もあります。いまRIZINにはハフィッド・ダーバキというアメリカ人の社員がいるんですけど、彼が中心に動いています。ちなみにハフィッドの弟はUFCで働いてます(笑)。
――どんな兄弟ですか!
笹原 北米を代表するMMA変態ブラザーズです(笑)。ハフィッドはRIZINで働きたくて海を渡って来日して、さらに日本人と結婚してるんですよ!例えるなら……まぁそうですね、令和のフレッド・ブラッシーですよ。
――往年の名プロレスラーのフレッド・ブラッシーは大の新日家で日本人の奥さんを娶って晩年は幸せに暮らした....って、たとえが古すぎて誰もついてこれないですよ!
笹原 そのハフィッドが北米への噛みつき方を変えたってことです。
――えっと、フレッド・ブラッシーは反則の噛みつき攻撃が有名で、噛みつき魔というキャッチフレーズだったんですけど…….って、いちいちボクにこんな説明をさせないでください!
笹原 まぁ要はRIZINが日本でやっているようなアプローチを北米でも導入したってことなんですけど、今回はいろんな偶然が重なったことでの反響が大きかったんです。鳴り物入りでUFCと契約したパッチー・ミックスは連敗したことで、SNSで弄られキャラになってますし、そのパッチーに勝った秋元選手が19歳ということも大きいです。
笹原 あと北米ルールでは禁じられているサッカーボールキックで決着したこともインパクトが大きかったと思いますね。それらが掛け算になって広がっているのかなと。そういう意味ではUFCがTUFで爆発したときもこんな感じだったのかもしれません。
――クローズド寸前だったUFCはあのリアリティショーで生き残り、業界の覇権を握ることになりましたね。
笹原 UFCもTUFをやるまでは、行き場のないエネルギーがずっと溜まってたと思うんですね。TUFという出口を見つけて、一気に広がった。RIZINも別に今回特別なことをしたというよりも、10年間やり続けてきたことが、今回の秋元パッチー戦をきっかけに北米に届いたってことなのかもしれませんね。
笹原 結局北米でも受けているのは、メイウェザーvsパッキャオやロンダvsジーナ、インフルエンサーのボクシングだったり、ネットで扱いやすいネタじゃないですか。RIZINはもちろん実力測定の場でもありつつ、お叱りを受けることもやってきた。当然北米のハードコアファンはRIZINの世界観を知っていたと思いますけど、ハフィッドが超絶変態&優秀なので、彼の力でさらに広がった感じですよね。
――最近のRIZINは外国人ファイターをガンガン呼んでますけど、ただの「日本人の壁」を作るためだけだったらもったいないですもんね。
――RIZINはあくまで日本の市場向けにやってるカルチャーなんだけど、我々日本人が知らないところで独自のまた違ったRIZINの顔が浮かび上がってくるかもしれないと。
――北米で「リングorゲージ」議論!(笑)。福岡にはシェイドゥラエフも出ますし、「UFCは早く獲得すべし!」という声は高まるかもしれないですね。
――正直、秋元強真が勝つと思いました?
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