健康に関する学説は日々移り変わるわけですが、近ごろ最も熱いのが「現代の慢性病は、実はほとんど同じ原因から生まれているのではないか?」って説であります。
ご存じのとおり、現代社会では、糖尿病、心臓病、認知症、うつ病、自己免疫疾患などさまざまな病気が増えてますが、多くの研究を見ていると、どれもなぜか同じ時代に一斉に増えているんですよ。しかも、これらの病気は、同じ人の体の中でセットで発生しやすいって特徴もあるんですな。
なんとも不思議ですが、「この現象をどう説明すればいいのか?」ってことで多くの研究で浮かび上がってきたのが、
- 「そもそもこれらは別々の病気ではないのでは?」
って考え方なんですな。私たちが「別の病気」として扱ってきた問題は、実は同じ土台から生まれている可能性があるんじゃないか、と。あらゆる病気は、体の土台となるシステムが正常に動いていないせいで起きるのではないのか、と。
この考え方は、従来の健康観とは異なり「健康を細かいパーツではなく、体全体のシステムとして見る」というものでして、パレオダイエットともめっちゃ相性が良いのがポイント。この視点から見ると、現代人の健康問題の多くが、かなりシンプルに説明できる可能性が出てくるんですよね。
というわけで今回からは、この「ほとんどの慢性病は同じ原因で起きているのではないか説」について、最近の研究をベースに整理してみたいと思います。近年の研究における最新の健康観のアップデート版みたいな話なんで、知っとくと非常に良い感じです。
ほとんどの慢性病は「同じ原因」で起きているのではないか説
さて、ご存じの通り、ここ数十年で医学は劇的に進歩したわけです。遺伝子解析の技術は飛躍的に向上したし、手術は安全で痛みも大きく減ったし、新しい薬も次々と登場して多くの難病を救っております。
にもかかわらず、人類の健康状態が必ずしも良くなっているとは言えないのはご存じのとおり。というか、むしろ慢性疾患は世界中で増え続けてまして、たとえば、
- 2型糖尿病
- 心臓病
- がん
- アルツハイマー病
- うつ病
- 自己免疫疾患
などは、どれも現代社会で急増している代表的な病気です。ざっくり言えば、日本では成人の約3人に1人が何らかの慢性疾患を抱えており、生活習慣病の予備軍まで含めれば半数近くが代謝トラブルを抱えているとも言われてまして、実に恐ろしい話なわけです。
では、なんでここまで技術が進化したにも関わらず慢性病は増え続けているのか。ここで興味深いのが、これらの病気が同じ人に同時に起こりやすいってところでしょう。糖尿病の人は心臓病のリスクが高いし、心臓病の人は認知症のリスクも上がり、肥満の人はがんやうつ病のリスクが高いことも知られてたりします。もしこれらの病気が完全に別々の原因で起きているのなら、こうした「病気のかぶり」はそこまで頻繁には起きないはず。しかし現実には、複数の慢性疾患を同時に抱える人のほうが普通だったりするんですよね。
この現象を説明するために、近年の医学で注目されているのが「共通の根本原因」って考え方であります。これは「いろんな病気には共通する理由がある!」みたいな意味で、糖尿病や心臓病、認知症などはそれぞれ独立した病気ではなく、実は同じ生物学的トラブルが根っこにあって、体の異なる場所に現れた結果なのではないか、という見方ですね。
それでは、あらゆる病気の根本にある原因とはなにか? その共通の原因として近ごろ最も有力視されているのが、
- 病気の原因は、細胞エネルギーの代謝異常だ!
って考え方であります。これはめっちゃ大事なポイントなので、もうちょい詳しく説明しましょう。
まず前提として、現代の医療は「臓器ごと」に病気を分類する仕組みで成り立っております。たとえば、
- 心臓 → 循環器内科
- 脳 → 神経内科
- 胃腸 → 消化器内科
- ホルモン → 内分泌科
- 免疫 → リウマチ科
という具合に、体をパーツごとに切り分けて、それぞれの不調をチェックしていくわけです。特定の臓器を詳しく調べてピンポイントで治療するという方法は、医学の歴史のなかで非常に成功してきた考え方でして、感染症の治療や外科医療の発展に大きく貢献してきた偉大なアプローチであります。
が、実はこの「臓器別モデル」は、慢性疾患になると急に効果が弱くなることが知られてたりもするんですよ。その理由はシンプルで、現代病ってのは、ほとんどの場合一つの臓器だけが壊れているわけではないからです。このことを理解するために、糖尿病を例にしてみましょう。糖尿病ってのは一般的に「血糖値の病気」として説明されるんだけど、実際にはそれだけが問題になってるわけじゃなくて、糖尿病にかかった人は、
- 心臓病のリスクが約2〜4倍
- 脳卒中のリスクが約2倍
- アルツハイマー病のリスクが大きく上昇
- うつ病の発症率も高い
- がんの発症率も上がる
といった具合に、全身のトラブルが連鎖的に起こりやすくなるものなんですよ。なので、糖尿病ってのは、単なる「血糖の病気」というよりも、全身の代謝バランスが崩れた結果として現れる症状のひとつと考えたほうが理解しやすいものなんですな。
同じような現象は、ほかの慢性疾患でも見られまして、たとえば肥満の人では、
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 脂肪肝
- 心血管疾患
といった問題がセットで発生することが珍しくなかったりします。これは皆さまご存じの「メタボリックシンドローム」と呼ばれる問題で、一般的に「生活習慣が悪いから起きる」と説明されることが多かったりしますな。
で、ここで考えるべきは、「なぜこれほど多くの病気が同時に起きるのか?」ってポイントです。もしそれぞれの病気が本当に独立しているなら、本来はそれぞれの症状がバラバラに出てくるはず。しかし現実には、慢性疾患はまるでドミノ倒しのように連鎖していくことがよくあるのはなぜか?って問題ですな。
その点で、近年の研究では、多くの慢性疾患に共通する特徴として、次のような要素が指摘されております。
- インスリン抵抗性
- 慢性炎症
- 酸化ストレス
- ミトコンドリア機能低下
- ホルモンバランスの乱れ
こうして見ると、これらの症状はすべて体のエネルギー代謝がうまく機能していない時に起きるものなんですよね。つまり現代病の多くは、臓器ごとに別々の問題として起きているのではなく、「体の代謝システム全体のトラブル」として理解したほうが合理的なわけです。
この視点に立つと、現代病の見え方が大きく変わるのが面白いところ。たとえば、アルツハイマー病は長い間「脳の病気」として研究されてきたんだけど、最近では脳のエネルギー利用の異常が関係している可能性が強く指摘されてまして、研究者のあいだでは「3型糖尿病」と呼ばれることもあったりするんですよ。
同じように近年では、心臓病や脂肪肝、さらには一部のがんなども、代謝の乱れと密接に関係していることがわかってきています。つまり現代社会で増えている慢性疾患は、別々の病気のように見えて、実は同じ土台から生まれている可能性が高いわけです。
この考え方は医学の世界でも徐々に広がりつつありまして、最近では「代謝健康」や「ミトコンドリア機能」といった概念が、慢性疾患を理解するための重要なキーワードとして注目されることがしばしば。言い換えると、現代人の健康問題の多くは「特定の臓器の病気」というよりも、体全体のエネルギーシステムがうまく働かなくなった結果だと言えるわけです。
キーワードは「細胞エネルギー」である
では、こうした慢性疾患の共通原因とは何なのでしょうか? ここで重要になるのが、細胞エネルギーってキーワードであります。

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