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【2026年版】マルチビタミン完全ガイド

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久々にマルチビタミンの話です。毎度おなじみアンダーソン先生が、いま売れているマルチビタミンとミネラル系のサプリ29製品をテストした結果が出てきたんで、その結果を見つつ、あらためてマルチビタミンサプリの現状をチェックしてみましょう。

 

 

大前提として、マルチビタミンはどこまで意味があるのか問題を押さえておこう

まずは大事な前提である「マルチビタミンのサプリに意味はあるか?」を掘ってみます。これまでのブロマガでも取り上げたテーマではありますが、この手の結論は年々コロコロ変わりやすいですんで、ここで最新版の落としどころを確認しておきましょう。

 

まず結論から言うと、いまんとこ健康な成人において、マルチビタミンががんや心血管疾患の予防に効くかどうかは、はっきりした結論が出ておりません。つまり、「飲めば長生きする」とは言いづらいし、健康な人が飲んでも“劇的な効果”は期待しにくいって感じなんですよね。

 

ただし、だからといってマルチビタミンは完全に無駄って話でもなく、「条件つきで意味はある」ぐらいの感じにはなります。ここらへんは話がややこしいんで、もうちょい詳しく説明してみましょう。

 

 

問題1. マルチビタミンに「長生き効果」はあるのか?

まずは最も気になるアウトカムである死亡率から。これについては39万人以上を20年以上追跡した研究(R)がありまして、心疾患死亡率・がん死亡率・全死亡率のいずれも 「マルチビタミンを飲んだ群」と「飲まない群」で大きな差が見られなかったとのこと。 つまり、統計的には「毎日マルチを飲んでも長生きしない」という結論になりますな。

 

さらには、2022年の米国予防医学作業部会(USPSTF)は、健康な成人におけるがん・心血管疾患予防としてのビタミン/ミネラルサプリについて「証拠が不十分」と公表しております。ここだけ見ると「マルチビタミン意味ないじゃん!」って感じでして、それで話を終わりにしちゃってもいいんですが、話はここで終わらなかったりします。

 

となると、なぜマルチビタミンは効果が出にくいのかが気になりますが、これについては以下のような原因が考えられるでしょう。

 

理由1:多くの人は栄養が欠乏していない

たとえば、ビタミンAは視力を維持するのに欠かせないんだけど、 不足していない人が追加で摂っても視力が良くなるわけじゃないですからね。 これは他の栄養素でも同じで、「不足を埋める」以上のリターンが出にくいのが実態です。

 

理由2:病気は単一の栄養素による不足で起きるわけではない

がんも心疾患も、炎症・遺伝・生活習慣・代謝・環境などが絡む複雑なシステムであります。マルチ1錠でスパッと解決できるほど単純ではないので、そりゃあ明確な効果は出にくいですわね。

 

 

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ドーパミン過剰時代に正気を保つ方法」の続きです!(#1,#2,#3,#4)

 

このシリーズでは、

 

「生活はそこそこ安定している」

「別に不幸なわけでもない」

「なのに、なぜか物足りない」

 

といった現代人にありがちな“謎の空虚感”をテーマに、その正体と対処法をドーパミンの視点から掘り下げております。前回から「ドーパミンを適度に下げる方法」の話に入ってまして、今回はその続きで「デジタル・デトックス」の実践を見てみましょう。

 

 

 

デジタル・デトックスは“設計”を重んじる

「SNSの時間を減らしたい!」って思って、アプリを消したり、スマホを机の引き出しに放り込んだりした経験は、みなさんも一度はございますでしょう。いわゆるデジタル・デトックスですな。

 

これをやると、最初のうちは「なんか頭がスッキリしたぞ!」「時間が増えた気がする!」「自分を取り戻した感じがする!」とか思って気持ちがわきたつんですが、たいていの場合、多くの人はだいたい以下のような展開におちいっていくわけです。

 

  • 3日目あたりで禁断症状
  • 仕事や調べものを口実に復活
  • 気づいたら元通り

 

まさにデジタル・デトックスあるあるですが、ここで重要なのはSNSやニュースなどは“意志力で勝てる相手”ではないってところです。あれは「人間の報酬系(ドーパミン回路)をハックするためのテクニック」の集合体みたいなものなので、 根性で立ち向かおうとすると、絶対に負けるわけです。

 

なので、ここでやるべきは「すべてをやめる」ではなく、設計を変えることであります。これは、意志力で我慢することではなく、ドーパミンが暴走しにくい環境を作るってことでして、たとえば、

 

  • 通知そのものを発生させない設計にする
  • アプリを“探さないと開けない”位置に追いやる
  • 利用時間と利用タイミングを先に固定しておく

 

みたいな話であります。このような“設計”の変更が大事な理由ってのも、やはりドーパミンが持つ「報酬予測誤差に弱い」って性質が関わっております。

 

というのも、SNSやニュースがこれほどの力を持つのは、その内容自体よりも「構造」の中毒性を高める設計思想が関わってまして、

 

  • 新規性=次は何が出るかがわからない!という状態

  • 変動報酬=当たり外れがランダムで出る状態

  • 即時性=0秒で結果が出るような状態

 

って3つがすべてそろってるんですよ。これらの条件がそろったことにより、脳内では「もしかしたら次が当たりかも?」という報酬予測誤差が連続発生して、これがドーパミンの燃料になるんですな。だから、本気でデジタル・デトックスに取り組みたいのであれば、漠然と「これを遠ざけるぞ」と考えるよりも、「報酬予測誤差が起きにくい環境」に作り替えるのがめっちゃ大事になるわけです。

 

では、「報酬予測誤差が起きにくい環境」を作るにはどうすればいいかってことですが、具体的な実践方法としては以下のステップを参考にしてください。

 

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ドーパミン過剰時代に正気を保つ方法」の続きです!(#1,#2,#3)

 

このシリーズでは、

 

「生活はそこそこ安定している」

「別に不幸なわけでもない」

「なのに、なぜか物足りない」

 

といった現代人にありがちな“謎の空虚感”をテーマに、その正体と対処法をドーパミンの視点から掘り下げております。前回は「ドーパミンを適度に増やす方法」の話をしましたんで、今回からはその逆の方向に取り組んでみましょう。つまり、ドーパミンを適度に減らす方法について、であります。

 

 

 

「ドーパミンを下げる」とはどういうことか?

さて、ここまでは「ドーパミンが少なくてやる気が出ない」って問題に取り組んで来たわけですが、それと同じぐらい厄介なのが、「刺激が多すぎて落ち着けない」って問題であります。SNS、ニュース、買い物、動画、ゲームなどなど、現代は“ドーパミンを出せる装置”がそこら中に転がってますからね。そこで大事なのが「ドーパミンを下げる(=過剰刺激から回復させる)」技術なわけです。

 

が、その具体的な方法を説明する前に、大事なポイントとして「ドーパミンが高い=幸せ」ではないってポイントを押さえておきましょう。ここまでのシリーズで何度か触れた話ですが、ドーパミンってのは「快楽をもたらす物質」というよりは、「もっと欲しい!」って気持ちを作る物質でした。新しい可能性を見つけると、「ほら!飛びつけ!」と私たちをうながす仕組みなんですな。

 

で、もちろんこれは生存に欠かせない仕組みなんですが、現代のような安全性が高まった世界では、この仕組みが暴走しちゃうのが問題なんですよね。というのも、私たちの祖先が暮らした原始の環境では、

 

  • 見慣れない音=捕食者かもしれない

  • 新しい場所=食料があるかもしれない

  • 未知の人物=敵か味方か分からない

 

みたいに、「新しいもの」や「見慣れないもの」に飛びつけるかどうかが生存に直結しておりました。だからこそ、未知の刺激に強く反応する神経回路が進化したわけです。

 

ところが現代がどうかと言いますと、

 

  • 1日中、命の危険はほぼゼロ

  • 食料は冷蔵庫にある

  • 天候も屋内なら関係ない

  • 外敵もほとんどいない

 

みたいな感じじゃないですか。つまり、本来なら「ドーパミンシステム」を常時フル稼働させる必要はないはずなんですよ。

 

にもかかわらず現代社会は、安全さが増えた代わりに、「人工的な新規刺激」が無限に供給されるようになったわけです。たとえば、

 

  • SNSの無限スクロール

  • ショート動画の連続再生

  • 速報ニュース

  • ガチャやランダム報酬設計

  • ワンクリックで買えるECサイト

 

これらはすべて、「これは新しいかもしれない!」「次は当たりかもしれない!」という報酬予測誤差を連続発生させる装置として設計されております。

 

これらの装置がやっかいなのは、いずれもが“命がけで探索する必要がない”ように作られているところです。原始の世界においては、「獲物の探索」ってのはエネルギーをめっちゃ消費する活動であり、それゆえにリスクも高かったはず。これに対して、現代ではスマホ上で指を動かすだけで「探索」ができてしまうため、昔と比べてコストが極端に低いんですよね。

 

つまり、現代の環境では、

 

  • 危険がない
  • コストがない
  • 刺激は無限

 

という状態が普通になっており、そのせいでドーパミン回路もつねに働き続けるハメになってるわけです。つまり、かつては希少だったはずの“新規性”が、現代では過剰供給されているんですな。

 

その結果、何が起きるかと言いますと、

 

  • 刺激に慣れて、同じことでは満足できなくなる(ドーパミンに耐性がついちゃうから)

  • 快楽は薄れるのに、激しい欲求だけ残る

  • 結果、“気持ちよくないのにやめられない”が発生する

 

みたいな困った問題につながっていくわけです。なので、ここで言う「ドーパミンを下げる」ってのは、別に「気分を低下させよう」や「やる気を下げよう」って話ではなく、過度な刺激でオーバーヒートしちゃった報酬系を回復させるのが主目的になります。

 

言い換えれば、ドーパミンを下げるのは「人生をつまらなくするため」ではなく、むしろその逆。ドーパミンを下げることにより、“普通の刺激で満足できる状態”を取り戻すためとも表現できるでしょう。

 

強い刺激を浴び続けると、私たちはドーパミンに慣れちゃって、やがて弱い喜びでは満足できない体になってしまいます。しかし、ここで刺激を整えると、コーヒー、散歩、会話、読書みたいな地味な快楽が復活してくれるんですな。こういった、日常の刺激にまた喜びを見いだせるようになるのが、ドーパミンを下げる大きなメリットだと言えましょう。

 

 

 

ドーパミンを下げるには「3つの要素」が必要である

では、ドーパミンを正しく「下げる」ためにはどうすればいいのか? ドーパミンの影響から自由になるためには、大きく3つの要素をコントロールする必要があります。すなわち、

 
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著者イメージ

鈴木祐

1976年生まれ。新宿区在住のライター/編集者。パレオダイエットにくわしい人。普段はチャイナ服ではありません。ライター歴は18年ぐらい。科学の知見を自分のカラダで試していくのが趣味で仕事。

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