ハックルベリーに会いに行く
1970年代に起こった恋愛ブーム。それは『ベルサイユのばら』を起点に燃え上がった。
しかしその前の60年代から、実は下地として熾火のように恋愛への憧憬が少女たちの間に広がっていた。そのときに参照されたのは、日本のコンテンツではなかった。日本のコンテンツは旧来からの文化的規範から外に出なかったからだ。
そこで参照されたのは、海外の二つのコンテンツだった。
その二つとは何か?
一つは『アンネの日記』、もう一つが『赤毛のアン』である。
この二つのコンテンツが、60年代の日本の少女たちに新たな恋愛像を投げかけた。この二つのコンテンツを読むことで、少女たちは自身の恋愛ロールモデルをそこに見出した。これはなかなか興味深いことである。
そうしてぼくが中学生になった80年代に入った頃には、『アンネの日記』と『赤毛のアン』はともに定着した古典としての風格を既に備えていた。両者は「思春期の女の子が読む
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