この連載を通してぼくが言いたかったことは、結局「この30年間に、ぼくの空間能力が高まった」ということである。
ぼくは19歳から22歳までの4年間、大学でそれなりに必死に建築の勉強をした。しかし残念ながら、そこで空間感覚は全く養えなかった。知識だけは多少身についたが、それで建築家としての能力が高まったわけではなかった。
そこでぼくは向いていないと思って建築の道に進まなかった。しかし皮肉なことに、その後で再び建築に興味を持ち、そこから意識的にも無意識的にも建築家としての能力を高めようとした。
そうしたところ、それに少なからず成功したのである。ここから分かるのは、建築家としての能力は後天的に高まるということだ。しかもそれは、年齢にかかわらず高めることができる。もちろん謙虚な心は必要だが、それさえあれば驚くほど空間感覚は向上する。
では、空間感覚を向上させるにはどうすればいいのか?
それは