第61回全国高校野球選手権大会徳島大会準決勝は、1979年7月26日に行われた。対戦相手は鳴門工であった。場所はやっぱり県営鳴門球場で、いうならば鳴門工のホームだった。池田からは汽車で二時間強の距離だった。

そういう不利な状況下だと、これまでの池田だったら比較的簡単に負けるところがあった。とにかく勝負弱いからだ。しかしこの年の池田は明らかに違った。これまでの池田にあったひ弱さがない。むしろしぶとさが目立つチームだった。

それは後年の強い池田、打ちまくる池田、のびのび野球の池田の萌芽ともいえるような姿だった。とにかく横綱のような貫禄があるのだ。まだ夏は一回しか出場したことのないチームには見えなかった。

この試合、池田は初回表に相手に二死満塁のチャンスを作られるが、なんとかしのぐ。するとその裏、二つのフォアボールから送りバントと犠牲フライで、無安打で一点を先取する。特に犠牲フライで一点を