多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー!今回は19000字でお送りします!(聞き手/ジャン斉藤)








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シュウさん、PFLとMVPの合併という大事件が起きました!

シュウ ポイントになったのはPFLを去った元CEOのドン・デイビスです。今回は、彼が影の仕掛け人的な役割を果たしたらしいです。彼はもともとジェイク・ポールと、MVPもう一人のトップのナキサ(・ビダリアン)とも交流があったんですよ。

――ナキサはUFCの幹部だった人物ですね。

シュウ 最終的にはドン・デイビスが裏で動いて、この話をまとめたらしいですけども。オフィシャルとしては関わってないんですが、ひとりのビジネスマンとして合併案を持ち込んだってことでしょうね。

――PFLはしばらくしてから「MVP MMA」というかたちに変わるそうですけど、PFLは単体での運営はギブアップしたというか……。

シュウ 吸収合併みたいな捉え方もできないわけではないですよね。MVPはESPNの配信をベースに女子のボクシングに力を入れて、それこそ今度は日本の吉田実代ちゃんも出る予定だったんですけども(相手のケガでキャンセル)。それ以外にはNetflixでボクシングやMMAのビッグイベントをやってますけど、それは年に1回か2回。PFLと合併することで定期的にMMAイベントをやれるわけですよね。いまのジャンさんの質問に答えると、PFLがギブアップしたのは間違いじゃないでしょう。報道されているように、PFLの現CEOジョン・マーティンはそのままMVP MMAのCEOになるらしいですし、MVPのファイト帝国の中のひとつのMMAディビジョンがPFLになったと。力関係的にはESPNやNetflixという大きいプラットフォームを持ってるMVPのほうがどうしても上になると思います。

――PFLのESPNの配信は2026年末で終了で、そのあとのプラットフォームは未定だったみたいですね。

シュウ いろんな意味でも不安定なフューチャーがあったわけですから、それだったらMVPに乗っかっちゃったほうがいいと。そもそも大きなプラットフォームなんて限られてるじゃないですか。たとえばAmazon PrimeでONEを配信しても、全然ウケなかった。少なくともアメリカの話ですけど、Amazon Primeでスポーツを見る感覚はあんまりなかったんです。最近はNBAの試合を配信しているんで、そのイメージはだいぶ薄れてこましたが。となると、ファイトスポーツを受け入れるようなプラットフォームは他にはDAZNくらいしかなくなってくるわけですよ。でも、DAZNはアメリカではいまいちですし。

――以前DAZNでベラトールをやってましたけども、なかなか反響なかったですね。

シュウ やっぱりDAZNは料金が高いですから。たとえばパラマウントやNetflixだったら映画も見れて、ESPNは他のスポーツも見れる。DAZNはその広がりがあんまりないんですよね。だったらPFLはMVPに乗ったほうがいい。PFLもトーナメントをやって、ランキングを作って、チャンピオンもいて……とMMA団体としてやるべきことをやったけど、それでもUFCの城塞を崩せなかったわけですよ。崩せないどころか、全然近づいてもいないわけですよ。お金だけかかって(笑)。

――200億円以上かけてるのに(笑)。

シュウ MVPの強みを知っていただきたいんですけど、まずMVPのブランドがそれなりにあるということ。いまやスターになってるダナ・ホワイトじゃないですけど、トップに立ってるジェイク・ポールのパーソナリティも強いんですよ。そういう意味ではダナに対抗できる人物であることはたしかなんですよね。

――たしかにPFLやベラトールにはフロントマンはいなかったですもんね。

シュウ どうしてもスコット・コーカーとか、ファイトスポーツファンに限られたアイコンになっちゃったんですよね。でもジェイク・ポールは一般層に響く。Z世代にとってはダナ・ホワイトよりジョー・ローガンのほうが有名だから、ジョー・ローガンからUFCを見る層もいます。ジェイク・ポールはどっちかというとジョー・ローガンの客層とマッチングするのかなと。

――たとえばブレイキングダウンも朝倉未来がやっていたことで見たファンは多かったですね。溝口勇児さんもいまは有名になっているけど、初期はそうじゃなかったですし。

シュウ Z世代のエンターテインメントスポーツのPRの仕方としては、ジェイク・ポール、というかポール兄弟の存在はでかいんですよね。

――ただ、MVPがPFLを丸ごと背負うのはけっこうリスクがあるんじゃないかなと思ったんですよね。

シュウ MVPがMMAディビジョンをやりたいという話はずっと聞いてたんで、スクラッチの状態から始めることを考えたら、PFLを吸収したほうが早いし、安いし、簡単だと考えたんじゃないですか。PFLにはスタッフもいますし。新規でスタッフを探していこうとしたら、この業界を知らない人を連れてくることになりかねないじゃないですか。それに「どれだけの選手を抑えられるんですか?」という話にもなりますし。

――イチから作るのは大変ってことですね。たとえばPFLはベラトールをとんでもない金額で買ったじゃないですか。今回MVPが買収したわけではないんですよね?

シュウ あくまで合併という話ですよね。今後報道でいろいろと判明するんじゃないかと思いますね。

――いまのところわかってるのは、PFLがMVPの軒先を借りると。

シュウ そういうことですね。やっぱりそこはNetflixの存在が大きいですよ。前回の大会が一部では失敗したという見方があるとはいえ、やっぱりすごい話題になって、視聴世帯の数はめちゃめちゃ多かったわけですし。そうなるとNetflixにとってもジェイク・ポールがプロモートするMMAは魅力のあるコンテンツになるわけですし、間違いなく次の大会の企画は動いてますから。

――ジョン・マーティンも「ロンダ・ラウジーvsサイボーグの可能性はある」と言ってますし、そのカード1枚あれば全然できますもんね。

シュウ その話はいろんなところで出回ってるんですよ。

――サイボーグは次のPFLで引退試合という予定ですけど!(笑)。

シュウ ロンダもこないだのジーナ戦で引退表明してるじゃないですか。だけど、2人ともいくらでもやりそうです(笑)。ここはちょっと悲しいですけど、現役のMMAファイターよりはロンダ・ラウジーのほうがNetflix的には魅力的だということですよ。

――PFLは従来どおりMVP MMAとして開催して、それプラス年に1~2回、Netflixのスーパーイベントが行われる座組みってことですね。

シュウ ボクはそう読んでますね。MVPのいいところはファイトマネーはいいし、そこまで契約で拘束しないことですね。ジェイク・ポールは昔からUFCの契約形態を否定してるじゃないですか。だからUFCほど長く拘束しないはずだし、チャンピオンでもわりとフリーな契約にすると思うんですよ。長くても1年とか。ですから、これはじわじわとボディショットのようにUFCには効いてくる舞台になるかもしれません。なぜかというと、若い選手がMVPで有名になっちゃったら、UFCが契約するにしても高い買い物になる。やっぱりUFCもNetflixに出た選手の視聴者数を無視するわけにいかない。やっぱりUFC内だけで育つ選手だったら限られちゃうじゃないですか。ダナ・ホワイトはまだ強気で「誰も見てない2つの団体が一緒になって誰も見ないさらに大きい団体を作った」と言ってますけど(笑)。たしかにそれは当たりではあるんですけども、これが10年単位で続けたら流れは変わってくるかなと思います。

――それにライバル団体があったほうが業界的にも潤うんですよね。

・Netflixが求めるのは朝倉未来や平本蓮
・シェイドゥラエフはMVPルート?
・モカエフvs神龍誠は実現するか
・ACAとの対抗戦は響かない
・1試合10万ドルでもアメリカ暮らしにはキツイ
・コミッションのファイトマネーを信じるな……19000字の続きはこのあとへ


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